1987 Fiscal Year Annual Research Report
走運動・ボール運動・バランス運動の適時性に関する基礎的研究
Project/Area Number |
62580091
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Research Institution | Hyogo University of Teacher Education |
Principal Investigator |
後藤 幸弘 兵庫教育大学, 学校教育学部, 助教授 (00047391)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松下 健次 兵庫教育大学, 学校教育学部, 助教授 (40079124)
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Keywords | クラウチングスタート法 / スタンディングスタート法 / オーバーハンドスロー / 竹馬のり / 学習過程 / 筋電図 / 適時性 / 練習効果 / 児童・生徒 |
Research Abstract |
小学4年生から中学3年生を対象に, クラウチングスタート法(CS法)とスタンディングスタート法(SS法)でのタイムからCS法の効果を生かせる者をみると13才以降で50%を越えた. すなわち, 小学生ではCS法を用いても疾走タイムのよくならない者が数多くみられた. CS法の効果を生かせる者ではキック力とその角度はCS法でSS法よりも大きかった. また, 膝関節の伸展力にらって発揮された力を股間節の伸展力が外部に伝達しているのに対し, CS法の効果の生かせない者では逆の関係にあることが筋の作用機序から推定された. すなわち, CS法の効果を生かせるかどうかの要因は筋力の大きさではなく, 力の発揮の仕方, 動作により生じていることが小・中学生, 成人のいずれにおいても認められた. 投距離は, 加齢とともに増大し男子では10歳以上では野球ボールが(女子では11歳), 13歳以上ではソフトボールがテニスボールの投距離を上回ることが認められた. 男子では7歳から9歳にかけて動作範囲拡大の側面での発達が, 10歳以降では躯幹のひねりや身体の分節の動きに時間差がみられるようになった. 一方, 女子では12歳まで動作範囲の拡大が主にみられた. 練習効果は, 男子では助走を用いる用いないにかかわらず7・8歳において, 女子では助走を用いない場合には7歳から10歳で, 用いた場合では8歳から10歳において大きいことが認められた. 竹馬のりを習得するまでの練習回数は, 11歳児を除けば加齢的な発達傾向が認められた. しかし, 5歳児は2カ月にわたる10日間の練習では本運動を習得できなかった. また, それぞれの被験者の最も歩けた際の筋電図を比較すると, 7・9歳児の方が11・13歳児, 成人よりも体重の移動をスムーズに行っている例が多く認められた. これらのことから竹馬のり学習の適時性は7歳から9歳頃に存在すると考えられた.
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Research Products
(3 results)
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[Publications] 後藤幸弘, 松下健二他: 日本スポーツ教育学会誌. 7. 109
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[Publications] 後藤幸弘, 奥野暢通他: 日本スポーツ教育学会誌. 7. 116
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[Publications] 後藤幸弘, 山根文隆他: 第8回バイオメカニズム学術講演集. 8. (1987)