1988 Fiscal Year Annual Research Report
走運動・ボール運動・バランス運動学習の適時性に関する基礎的研究-クラウチングスタート法、オーバーハンドスロー、ならびに竹馬乗りの練習効果の年令差について-
Project/Area Number |
62580091
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Research Institution | Hyogo University of Teacher Education |
Principal Investigator |
後藤 幸弘 兵庫教育大学, 学校教育学部, 助教授 (00047391)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松下 健二 兵庫教育大学, 学校教育学部, 助教授 (40079124)
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Keywords | 適時期 / 動作パターン / 習得 / 習熟過程 / 筋電図 / クラウチングスタート / 投げ / 竹馬乗り / 幼児 / 児童 / 生徒 / パフォーマンス |
Research Abstract |
小学5年生から中学3年生の男子(計132名)に6日間(20分/日)のクラウチングスタート(CS)の練習を行わせ、練習の前・後に光電管を用いて2、5、30m地点の通過タイムを測定した。2m通過タイムの練習による伸び率は、小学5年生の2.8%から中学2年生の8.2%まで加令的に向上するが、3年生では若干低値を示した。したがって、CS法学習の適時性は、中学1・2年生あたりにあると考えられた。また、練習によりCS法の効果を生かせるようになった者の筋放電パターンは、CS法を生かせている者にみられるものに変化した。すなわち、CS法の効果を生かせるかどうかの要因は、筋力の大きさではなく力の発揮の仕方により生じていた。 竹馬乗りに習熟した6才児の上肢・下肢ならびに躯幹筋計15筋の筋放電パターンは既に成人熟練者と類似し、加令的な発達傾向は認められなかった。また、竹馬乗りの未習得・未習熟者の筋放電パターンは熟練者のものと著しく異なるが、練習により体重移動や上肢と下肢の協応がうまくできていると考えられる筋放電パターンを示すようになり、熟練者のそれに近似する傾向が認められた。開眼での両脚立位時の重心動揺(面積、距離)からみたバランス能力と竹馬乗りを習得(なんとか10歩歩ける段階)するまでの練習回数の間には有意な相関関係が認められたが、閉眼でのバランス能力との間には相関は認められなかった。また、6才の幼児から11才の男女児童252名を対象にみた習得までに用する練習回数は、9才までの加令的に減少しその後の変化は僅少である傾向を示した。また、6才児では女子の方が男子よりも早期に本運動を習得する傾向のあることが認められた。これらのことから、竹馬乗り学習の適時性は小学3年生あたりにあるものと考えられた。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] 後藤幸弘、山根文隆 他: 第8回日本バイオメカニクス学会大会論集. 8巻. 14-20 (1986)
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[Publications] 後藤幸弘、山根文隆 他: 日本バイオメカニズム学会第8回大会論集. 8巻. 61-64 (1988)
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[Publications] 後藤幸弘、奥野暢通 他: スポーツ教育学研究. 9巻1号. (1989)
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[Publications] 後藤幸弘、奥野暢通 他: 第9回日本バイオメカニクス学会大会論集. 9巻. (1989)
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[Publications] 後藤幸弘: "1989" 「小学校教員のための体育学概論」小学生の運動動作の特徴・動作フォームと練習効果の章,