1989 Fiscal Year Annual Research Report
スポ-ツ価値意識のパタ-ンとその規定要因に関する研究
Project/Area Number |
62580093
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Research Institution | Kagawa University |
Principal Investigator |
上杉 正幸 香川大学, 教育学部, 助教授 (60093902)
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Keywords | スポ-ツ価値意識 / 世俗内禁欲型 / アゴン型 / レジャ-型 / レクリエ-ション型 |
Research Abstract |
1.本年度の研究目的 62年度に行った一流競技選手とその指導者のスポ-ツ価値意識調査、63年度に行った地域スポ-ツ参加者とその指導者のスポ-ツ価値意識調査を分析し、わが国におけるスポ-ツ参与者のスポ-ツ価値意識のパタ-ンとその規定要因を明らかにすることが本年度の目的である。 2.研究の方法 パタ-ンの分析はクロス分析によって、規定要因の分析は数量化理論II類による判別分析によって行った。 3.結果の概要 スポ-ツ価値意識を4つのパタ-ンに分けてとらえると、気軽にスポ-ツを行いながらも、その中で社会生活に役立つものを獲得しようとする「レクリエ-ション型」が29.7%、卓越性の追求を目指して厳しい鍛練を行い、その過程で社会生活に役立つものを獲得しようとする「世俗内禁欲型」が29.2%、卓越性の追求それ自体を目的とし、そのために厳しい鍛練を行おうとする「アゴン型」が27.1%、現在の能力の範囲内で気軽にスポ-ツを行おうとする「レジャ-型」が14.0%となっている。このことから、現在のわが国におけるスポ-ツ参与者の間では、圧倒的に支持される意識も、少数者にしか支持されない意識もみられず、スポ-ツ価値意識が4つの型に分化していると言える。そしてこの意識の分化に関連しているのは、鍛練主義、修養主義、精神主義、全力主義、継続主義、自由主義などのスポ-ツ意識、スポ-ツのやりがい度、生活目標観、さらに競技レベル、参与形態、年齢などの要因である。なおこの中で、スポ-ツを通しての人間形成を重視する修養主義、結果よりも過程の努力を重視する全力主義、偏在的であるがタテマエとしての色合いが濃い意識と考えられる。
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[Publications] 上杉正幸: "わが国における一流競技選手と指導者の意識のズレに関する分析" 香川大学教育学部研究報告第I部. 75号. 109-134 (1989)
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[Publications] 上杉正幸: "地域スポ-ツ参加者および指導者のやりがいの分析" 香川大学教育学部研究報告第I部. 77号. 103-115 (1989)
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[Publications] 上杉正幸: "スポ-ツ価値意識のパタ-ンとその関連要因の分析" 体育・スポ-ツ社会学研究. 9号. (1990)