1987 Fiscal Year Annual Research Report
ペルオキシダーゼのヘム周辺構造と反応機構・生理機能との関係
Project/Area Number |
62580107
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
細谷 東一郎 千葉大学, 薬学部・薬効安全性学講座, 教授 (10019648)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高橋 征三 日本女子大学, 家政学部・化学教室, 助教授 (00011693)
鈴木 徳昭 千葉大学, 薬学部・薬効安全性学講座, 助手 (10171240)
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Keywords | ペルオキシダーゼ / バセドウ病 / 化学修飾 / NMR / 差スペクトル / 自己抗体 |
Research Abstract |
1.西洋わさびペルオキシダーゼ(HRP), ラクトペルオキシダーゼ(LPO)とヨウ素イオンとの結合-NMRと光吸収差スペクトルによる研究, ^1H-NMRで調べると, HRPのヘム側鎖1-CH_3と8-CH_3と8-CH_3近傍に結合することがわかった. LPOに対して^1H-NMRと^<127>I-NMR, 差スペクトルによって調べ, Iはヘムcreviceの入口においてclistal histidine近傍に結合し, これが2電子転移に関係すると推定された. 2.LPO, HRPと芳香族有機化合物との結合-差スペクトルによる研究……HRPの場合, 差スペクトル型は2種あるが, LPOの場合は1種(HRPとも違う)しかなく, 結合の自由エネルギーは小さく, Kdは大きい. LPOと芳香族有機化合物は特定の場所で結合するが, HRPの場合より拘束度は少なく, ヘムが埋めこまれているのに対応する. 3.化学修飾による活性の変化……ブタンジオンによりアルギニン残基を, テトラニトロメタンによりチロシン残基を化学修飾し, 活性の変化を調べた. HRPそのまま修飾しても活性は変化しないが, ヘムをはずし, ヘムcrevice中を修飾したあとヘムを結合させる方法で調べると, ヘムはほぼ正常に復帰するのに活性は失われた. アルギニン修飾の場合はcompound Iの生成ができなくなっており, チロシン残基の場合はcompound IIの反応性が非常におちていた. 現在これら残基がどの位置のものか調べている. 4.甲状腺ペルオキシダーゼ(TPO)とLPOによるcoupling反応……チログロブリンを化学的にヨウ素化し(DIT, MIT, が生ずる), これをH_2O_2存在下TPOまたはLPOでcoupleさせて甲状腺ホルモンを合成する方法で, このcoupling反応をassayする方法を確立し, 病態甲状腺に適用しつつある. 5.抗TPO自己抗体とモノクローナル抗体の臨床応用…橋本病, バセドウ病の血清中の抗TPO自己抗体を測定し, 病気の推移と対応を調べた. またTPOに対する阻害作用を研究し, 質的変化を推定した.
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Research Products
(3 results)
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[Publications] Junji Sakurada: Biochemistry. 26. 6478-6483 (1987)
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[Publications] Junji Sakurada: Journal of Biological Chemistry. 262. 4007-4010 (1987)
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[Publications] Junta Takamatsu: Journal of Clinical Endocrinology and Metabolism. 66. 6601-6606 (1988)