1988 Fiscal Year Annual Research Report
胃粘液糖タンパク質分解酵素の単離・精製とその基礎的研究
Project/Area Number |
62580129
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Research Institution | Kitasato University |
Principal Investigator |
堀田 恭子 北里大学, 医学部, 教授 (10050402)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石原 和彦 北里大学, 医学部, 助教授 (10104530)
岩瀬 仁勇 北里大学, 医学部, 助教授 (60050663)
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Keywords | 胃粘液糖タンパク質 / ムチン分解酵素 / エンドーNーアセチルガラクトサミニダーゼ |
Research Abstract |
胃の粘液糖タンパク質は、タンパク質分解酵素を含む各種の酵素に対して抵抗性を示すことにより、粘膜細胞の重要な防御物質としての機能を果している。しかしこれらの粘液糖タンパク質の生理機能を糖タンパク質の分子構造に関連づけて解明するには、多くの困難がある。本研究では、糖タンパク質(ムチン)の0ーグリコシド結合を特異的に切断する酵素"エンドーαーNーアセチルガラクトサミニダーゼ"を産生するバクテリアーStreptomyces SP OHー11242ーを使用し、酵素の分離・精製、活性測定法、基質の精製等を行い、本年度は以下の成績をえた。 1.OHー11242培養濾液中にはエンド,エキソーグリコシダーゼのみならず強力なプロテアーゼが存在する。 2.OHー11242培養濾液からエンドーαーNーアセチルガラクトサミニダーゼの分離を種々の方法で行った。80%硫安沈殿により粗酵素をえた後、Sephacryl Sー200、DEAE-Toyopealで分画したが、いずれもエキソーグリコシダーゼ、プロテアーゼが混在し、目的の酵素を単離できなかった。 3.現在、クロマトフォーカシングによる分画を試みているが、ほぼ実用段階に近い標品を得つつあるので、なお詳細に検討し大量に純度の高い製品をえるよう努力する。 4.ブタ胃からムチンを精製し還元等により分子量のことなったムチンをえて、基質として適したものを検討中である。 5.ブタ胃ムチンを基質として市販のOーグリカナーゼ及び本酵素の基質特異性を比較すると、Oーグリカナーゼでは切断できない2糖以上の長鎖のオリゴ糖が切断され、従来のOーグリコシダーゼとは明らかにことなっていることが判明した。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] Hitoo IWASE;et al.: Biochem.Biophys.Res.Comm.151. 422-428 (1988)
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[Publications] Susumu OHARA;et al.: J.Biochem.103. 1050-1053 (1988)
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[Publications] Kazuhiko ISHIHARA;et al.: Digestion. 39. 162-171 (1988)
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[Publications] Kyoko HOTTA;et al.: Proceedings of the Kagasima International Symposium of "Glycoconjugates in Medicine". 221-226 (1988)
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[Publications] 堀田恭子: 医学のあゆみ. 144. 779-782 (1988)
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[Publications] 石井郁子 他: 生化学. 60. 952 (1988)