1987 Fiscal Year Annual Research Report
神経性糖脂質分子種とミエリンタンパクの遺伝子クローニングとその系統発生的解析
Project/Area Number |
62580130
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Research Institution | Kitasato University |
Principal Investigator |
小嶋 久子 北里大学, 医学部, 講師 (90118810)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中村 和生 北里大学, 医学部, 助手 (40189030)
玉井 洋一 北里大学, 医学部, 教授 (80050441)
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Keywords | 糖脂質 / ras遺伝子 / ラット褐色細胞腫 / 遺伝子制御 / フレノシン生合成 / α-ヒドロキシ脂肪酸 |
Research Abstract |
本研究の初年度の目標は(1)α-ヒドロキシ脂肪酸含有セレブロシド(フレノシン)を培養細胞で発現出来る系の確立と, 無尾両生類のミエリン塩基性タンパク質陽性のC-DNAクローンの選別であった. 申請者はまづ, 細胞培養, ライブラリーのレトロウイルス発現ベクターへの接続, 細胞への遺伝子移入の基礎実験として, c-Ha-ras遺伝子の完全エクソンを含むフラグメント(SacIフラグメント)を発現ベクターpMSG(マウス乳癌ウイルス, MMTV1のLTRとSV-40oriとプロモーター, E Caligptを持つ)に接続し, ラット褐色細胞腫由来PC-12に遺伝子移入. HATとミコフェノール酸を含む選択培地で培養した. c-Ha-rasとPC-12細胞を使用した理由は, ras遺伝子によりPC-12は突起を生成するので, 遺伝子が移入された細胞を簡単に確認できるからである. その結果, デキサメタゾン依存性のras-タンパクを産生するPC-12系を確立した. この細胞には外来のras遺伝子が組み込まれている事をサザンハイブリダイゼーションで確認した. また, 元のPC-12細胞と比較するとヌードマウスでの腫瘍誘発能力に明らかな差を生じた. 現在, 糖脂質を分析中であり, 63年度中にpublishの予定である. そこで, 本研究の最初の目的であった「培養細胞でフレノシンを発現できる系の確立」の実験にとりかかった. ミエリン形成期のマウス脳からc+DNAライブラリーを作製して(Amercham,c-DNA合成キット, λgt10クローニングキットを使用)保存し, その一部をレトロウイルスベクターpZIP-NeoSV(X)1のBamHI部位に挿入, これをヘルパーウイルスを持つ3T3(ψ2)にリン酸カルシウム法で導入し, G-418(ジェネテシン)培地で培養しウイルス粒子を回収する. このウイルスをNIH-3T3細胞に感染させてG-418培地で選択する. 得られたコロニーからのフレノシン発現細胞の選別に時間を要し, 本実験は当初の予定より進行が遅れている. ミエリンタンパク実験も進行中である.
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