1989 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
62580132
|
Research Institution | Showa University |
Principal Investigator |
富田 基郎 昭和大学, 薬学部, 教授 (30102370)
|
Keywords | 補体 / 赤血球 / DAF / MACIF / 膜攻撃複合体 / 補体制御因子 |
Research Abstract |
本年度は最終年度であるので、まとめられる可能性のある研究課題に絞って研究を行なった。 DAFはSCR遺伝子ス-パ-ファミリ-に属しており、実際に、ヒト遺伝子上でも他のSCR遺伝子ス-パ-ファミリ-族のCR1、CR2、C4bp、MCP、およびHなどと遺伝子クラスタ-を形成している。SCRというのは、約60アミノ酸残基からなる特徴的なアミノ酸配列を持つペプチドを意味し、補体成分C3と親和性をもつ。各SCRドメインは共通した位置に2つのジスルフィド結合をもつため、すべてのSCRドメインのジスルフィド結合様式は同じであり、似た高次構造をもつと、ほとんど証拠のないまま信じられている。しかし、やはり実験的に確認すべきと考えて以下の解析を試みた。DAFにはSCRドメインが4個連結した形でその分子内に存在する。ジスルフィド結合様式の決定は現在でも容易ではなく、多量の試料を必要とするが、幸いに尿から水溶性DAFがかなり得られることを、前年度の研究成果として得ていたので、会社より多量の濃縮尿の供与を受けて、約50mgのDAFを単離できた。この試料を種々のプロテア-ゼで分解し、HPLCにて生成ペプチドを精製した。Cysを含むペプチドを還元後カルボキシメチル化してジスルフィド結合を開裂した。それらのペプチドを精製後、アミノ酸配列を決定してジスルフィド結合様式を知った。その結果、N末側から3番目のSCRドメインだけが、自分の中だけでジスルフィド結合を完結していたが、他の3個のSCRドメインはドメイン間でジスルフィド結合していた。以上の結果は従来のSCRの共通類似構造仮説は大幅な修正を必要とすることを示す。
|
-
[Publications] Yuji Sugita: "Molecular cloning and characterization of MACIF,an inhibitor of membrane channel formation of complement." J.Biochemistry. 106. 555-557 (1989)
-
[Publications] Yuji Sugita: "Amino-terminal amino acid sequence and chemical and functional properties of a membrane attack complex-inhibitory factor from human erythrocyte membranes." J.Biochemistry. 106. 589-592 (1989)
-
[Publications] Nam-Ho Choi: "A serum protein SP-40,40 modulates the formation of membrane attack complex of complement on erythrocytes." Molecular Immunology. 26. 835-840 (1989)