1987 Fiscal Year Annual Research Report
Lysosome H^+-ATPaseの分子構築に関する生化学的・免疫化学的研究
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62580156
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Research Institution | Teikyo University |
Principal Investigator |
大熊 勝治 帝京大学, 薬学部, 助教授 (10119563)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高野 達哉 帝京大学, 薬学部, 教授 (40124995)
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Keywords | ラット / 肝臓 / リソゾーム / Lysosome / プロトン / ポンプ / H^+-ATPase / Triton-X-114 / C_<12>E_9 |
Research Abstract |
Lysosome H^+-ATPaseは NEM感受性, oligomycinやefrapeptinに耐性, bicarbonateによって活性化されない, 等の点でmitochondriaのF_0F_1-ATPase(MF_0F_1)とは明らかに異なっているが, その他の諸性質はMF_0F_1と極めて類似しており, 本ATPaseの精製が極めて困難な理由になっている. 先ず, ラット肝tritosomeより本H^+-ATPaseを部分精製したが, nemに強い感受性を示すと同時にoligomyoinやbicarbonateに対する感受性も上昇し, 抗F_1β抗血清を用いたimmunablotでも, 48Kの蛋白が染色され, MF_0F_1の混入が多いことが分かった. そこで, MF_0F_1を切除する方法を検討した. 先ず, Triton X-114で, MF_0F_1を選択的に可容化・除去出来ることが抗F1β抗血清によるimmunoblotの他efrapeptin感受性・bicarbonateによる活性化等の指標で確認された. しかしながら, Triton X-114処理後 H^+ATPaseの可容化が極めて困難になった. そこで, これに代わる可容化剤を検討した結果, C_<12>E_9によりこの問題点が解決された. 即ち, ラット肝tritosomeの膜ghostを, 10%glycerol及び200μg/ml・phosphatidylcholine存在下に0.5%C_<12>E_9で抽出すると, lysosome H^+・ATPaseを優先的に抽出できた. 更にhydroxylapatiteによる吸着やglycerol密度勾配遠心によって, MF_0F_1より分子サイズの小さいATPaseとして回収できた. C12E9抽出標品を0/02%O_<12>E_9存在下に末変性acrylamide密度勾配disc電気泳動後, 活性染色すると, MF_0F_1よりも移動度の大きなバント(見かけの分子量=40万弱)としてlysosomeのH^+-ATPaseを固定できた. 以上の結果より, lysosome H^+-ATPaseはMF_0F_1とは全く異なる構造のATPaseであることが示唆された. 現在, H^+ATPaseに対するmonoclonal抗体の作製に鋭意取り組んでいるが, 通常の方法では調製困難であることもはっきりしてきた. 各種方法を組み合わせて, lysosome H^+-ATPaseの構造の解明を早急に果たしたいと考えている.
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Research Products
(4 results)
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[Publications] Shoji Ohkuma: Lysosomes: their role in protein breakdown Academic Press,London. 115-148 (1987)
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[Publications] 大熊 勝治: 生化学. 59. 926 (1987)
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[Publications] Shoji Ohkuma: Cell Structure and Function. 12. 686 (1987)
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[Publications] 大熊 勝治: 薬学雑誌. 108. (1988)