1988 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
62580164
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
鈴木 文男 金沢大学, 薬学部, 助教授 (10019672)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松永 司 金沢大学, 薬学部, 教務職員 (60192340)
二階堂 修 金沢大学, 薬学部, 教授 (60019669)
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Keywords | X線 / 紫外線 / ゴールデンハムスター / 細胞がん化 / トリソミー / がん遺伝子 / トランスフェクション |
Research Abstract |
本研究の目的は、ゴールデンハムスター胎児細胞を用いて放射線発がんのモデルシステムを確立し、染色体変化の立場から細胞がん化機構を明らかにすることである。昨年度の研究により、X線発がん過程は多段階より成り立っており、各がん化形質発現段階で特定染色体の数的変化(トリソミー)が関与していることを発見した。ただし、この現象が他の放射線についてもみられるかどうか、また細胞がん化におけるX線照射の役割や染色体変化の意味について、ほとんど明らかにすることができなかった。そこで本年度は、紫外線による発がん過程を調べるとともに、がん遺伝子を中心とした分子レベルでの解析を平行して行った。 まず、X線照射直後と1〜3継代培養した細胞について核型分析を行った。予想したように、照射直後では照射線量に依存して種々の染色体異常が出現したが、その後の培養によりほとんど消失していた。しかしながら、詳細な核型分析により、そのような生存細胞中には多くの染色体にもノソミーやトリソミーが見られ、こういった染色体の数的変化は致死的でないことがわかった。一方、紫外線の場合には染色体変化が顕著でなく、軟寒天コロニー形成能を獲得する段階でも、かなりの細胞が正常2倍体の核型を維持していた。但し、正常の核型を持つ細胞は筋芽細胞様の形態を示し、他の分化形質を示さない細胞では第7番染色体のトリソミーが出現した。次に、細胞がん化の各段階で分離した形質転換細胞について、がん遺伝子が活性化しているか否かを調べた。既存のがん遺伝子プローブを用いたRNAドットブロット分析では、がん化形質発現に対応した発現異常を見つけることはできなかったが、マウスNIH3T3細胞を用いたトランスフェクションにより、活性化がん遺伝子の存在が示唆された。今後はこの遺伝子をクローニングし、染色体変化との関係を明らかにする予定である。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] Toshio,Mori: Mutation Research. 194. 263-270 (1988)
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[Publications] Keiji,Suzuki: Cancer Research.