1988 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
62580174
|
Research Institution | University of Tokyo |
Principal Investigator |
勝村 庸介 東京大学, 工学部原子力工学科, 助教授 (70111466)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
広石 大介 東京大学, 工学部原子力工学科, 助手 (20199110)
白石 浩二 東京大学, 工学部原子力工学科, 助手 (50011200)
石樽 顕吉 東京大学, 工学部原子力工学科, 教授 (90010975)
|
Keywords | ウラニルイオン / 光還元 / 硝酸 / 亜硝酸 / ウラニルイオン励起状態 |
Research Abstract |
本年度は昨年度に引き続きエタノールを含む硝酸中ウラニルイオンの光還元実験を進め、平行しこれらの実験的に得られた知見をもとに反応モデルを検討してきた。従来見落されていたエタノールラジカルの反応性を考慮することで実験結果は定性、定量的に説明できる。さらに、従来知見のない、空気中の酸素の反応への寄与も矛盾なく整理することができた。最も重要な知見としては、光励起により生成するウラニルオン励起状態の硝酸との反応が重大で、特に高硝酸濃度では未解離硝酸との反応がウラニル還元の量子効率を低下させることになる。これらの知見をもとに、現行の核燃料再処理への適合性についても検討を進めた結果、光化学反応を用いることにより、二次放射性廃棄物を増大させるような薬剤の代りに、光エネルギーを用いてウラナスイオン生成が工学的に成立しうることが判明した。一方、これまでの実験は、いわば最終生成物の収量評価をもとに実際の反応を推定する手法に基づいているが、やはり中間体を直接追跡するようなダイナミックな実験的アプローチが今後の実用の際には不可欠になると思われる。 さらに、光化学反応を検討してゆくと、硝酸の反応性の理解が不可欠で、再処理プロセスにおける放射線誘起反応との類似性を確認するに至った。そこで、ウラニルイオンを含むような硝酸中での放射線還元反応についても実験的に進めてきている。この実験については未だ整理が十分ではなく、今後の進展に期待される。
|
Research Products
(1 results)
-
[Publications] Y.Katumura,;H.Abe,;T.Yotsuyanagi,;K.Ishigure.: submitted for Journal of Photochemistry.