1987 Fiscal Year Annual Research Report
散乱線を含んだ医療用X線による被曝線量低減と画質への影響の研究
Project/Area Number |
62580182
|
Research Institution | Kyoto Institute of Technology |
Principal Investigator |
金森 仁志 京都工芸繊維大学, 工芸学部, 教授 (70027770)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松本 政雄 大阪府立工業高等専門学校, 助教授 (50149944)
|
Keywords | 医用放射線画像 / 散乱X線 / 被曝線量 / 画質 / X線スペクトル |
Research Abstract |
(1) 散乱線を含めてX線スペクトルを測定するために, 純Ge検出器(結晶の寸法10mmφ×7mm)の垂直入射光子について, 単色線レスポンス関数を, モンテカルロ法を用いて, 計算機シミュレーションで求めた. これを, 5〜150keVの1keV毎の単色光子入射について, 1keV毎にレスポンスを求めた. (2) 純Ge結晶の入射位置特性と斜入射特性を測定した結果, 結晶の直径10mmのうち, 内部の7mmの範囲に20°以内に入射した場合には, 結晶中心に垂直入射した場合と比べて5%の誤差範囲でスペクトルを測定できることを確かめた. (3) 入射角13°以内の散乱線を測定できるような, 鉛のコリメータを製作し, アクリルとアルミニウム被写体で, 厚さと, 被写体・検出器間の距離を変えて, 散乱線を含んだ光子スペクトルを測定し, (1)で求めた単色線レスポンス関数で補正した. (4) 鉛コリメータで, 斜に穴をあけたので, 厚さの薄い部分を高エネルギーの光子が通過して, Ge結晶に入射し, スペクトルの高エネルギー部分が実際より多く検出される. これを補正する数式を導き出して, (3)で測定したスペクトルを補正した. (5) 実験した幾何学的配置について, モンテカルロシミュレーションで, 検出器に入射する光子スペクトルを求めた結果, 実験結果とよく一致した. (6) 実験および計算の結果から, グレーデル効果を, 光子スペクトル測定によって定量的に確かめた. (7) X線写真撮影系の性能を評価する尺度として, 我々が前に提案した情報スペクトルを, 散乱線を含む場合に拡張して, 例を示した.
|
Research Products
(6 results)
-
[Publications] 松本政雄: 医用画像情報学会雑誌. 4. 46-58 (1987)
-
[Publications] 松本政雄: 医用画像情報学会雑誌. 4. 59-65 (1987)
-
[Publications] 金森仁志: Physics in Medicine and Biology. 32. 667-673 (1987)
-
[Publications] 金森仁志: Progress in basic Principles of imaging systems[1986 国際写真科学会議(Koln)論文集]. 683-688 (1987)
-
[Publications] 松本政雄: 医用画像情報学会雑誌. 4. 95-100 (1987)
-
[Publications] 窪田英明: 医用画像情報学会雑誌. 5. (1988)