1987 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
62580186
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
羽田野 正隆 北海道大学, 文学部, 教授 (60013752)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
遠藤 匡俊 日本学術振興会(東北大学), 特別研究員
小林 和夫 北海道大学, 文学部, 助手 (00000604)
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Keywords | 蝦夷水系図(仮称) / アイヌ集落(コタン) / 集落立地 / アイヌ語地名 / 地名分布 |
Research Abstract |
近世蝦夷地の地域構造を明らかにすることを目的として, つぎの研究を行なった. 羽田野正隆は蝦夷水系図(北大図書館蔵, 仮称)から600弱のアイヌ集落(コタン)を抽出し, その分布図を作成するとともに, コタンの広域的分布にどのような傾向がみられるかを考察した. また上記古地図から集落立地を規定すると考えられるアイヌ語地名を抽出し, それらを自然・狩猟・漁撈・交通に因む地名に分類して, それぞれの分布図を作成した. 地名については, 再現が可能なようにフロッピー・デイスクに入力中であり, これが完成すれば, 出現頻度など地名の定量的考察が可能となる. 小林和夫は以上の作業では知りえないコタン別の人口と戸数について, 松浦武四郎の紀行(安政3〜5年)や玉虫左太夫の入北記(安政4年)に記載されたデータを整理中であり, その一端を松浦武四郎研究会において報告した. 遠藤匡俊は近著「アイヌの移動と居住集団--江戸時代の東蝦夷地を例に--」(地理学評論58巻12号)で得られた知見をふまえて幕末期〜明治初期における人口移動データを紋別場所について分析中である. 以上, 今年度は論文という形で成果を出すことはできなかったが, 前段階としての成果はかなりの程度あげえたと考えている.
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