1987 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
62580213
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Research Institution | Yamaguchi University |
Principal Investigator |
青島 均 山口大学, 教養部, 助教授 (20089907)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
新貝 鉚蔵 山口大学, 医学部, 助手 (00089088)
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Keywords | 過酸化脂質 / アフリカツメガエル卵母細胞 / 脱感作 / アセチルコリン受容体 / γ-アミノ酪酸受容体 |
Research Abstract |
大豆リポキシゲナーゼを用いて, リノール酸リノレイン酸から過酸素化脂質を調製した. アフリカシメガエル卵母細胞及び発現された神経伝達物質受容体への過酸化脂質の作用を主に電気生理学的手法により測定し, 次の様な結果を得た. 1.卵母細胞に対する作用 1)過酸化脂質は濃度に依存して卵母細胞の膜抵抗を減少させ, 膜電位を上昇させた. この変化は数分で進行し, 過酸化脂質を除くと約2時間で元にもどった. この作用は, 過酸化脂質を還元して調整したアルコールや脂質そのものでは, 非常に小さかったりほとんど見られなかった. 2)過酸化脂質を加えると, L+×Ca2+の流入量が増大した. 3)Na+をコリンに置き換えると, 過酸化脂質による膜電流は減少した. 4)過酸化脂質にFe2+を加えてアルコキシラジカルを発生させても, 作用はほとんど変化しなかった. 5)ビタミンCやEを加えても, 作用を減少させることはできなかった. 2.nRNA注入によって発現された神経伝達物質受容体への作用1)過酸化脂質は, ニコチン性アセチルコリン受容体, γ-アミノ酪酸受容体を非拮抗的に阻害した. 2)過酸化脂質は, 受容体の脱感作速度を増大させた. 以上の結果より, 過酸化脂質が多量に摂取されたり発生した時の急性毒性は, 膜構造を破壊し膜抵抗を減少させイオン透過を増大させることによると思われる. また過酸化脂質が膜中に生成すると, 局所麻酔剤のように神経伝達物質受容体の機能を阻害し, 脱感作速度を速めることがわかったが, これは脳の老化による機能低下との関連も考えられ, 今後の研究方向として, 興味深い.
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Research Products
(1 results)