1988 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
62580213
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Research Institution | Yamaguchi University |
Principal Investigator |
新貝 鉚蔵 山口大学, 医学部, 助手 (00089088)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
伴 隆志 山口大学, 医学部, 教授 (50101069)
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Keywords | 過酸化脂質 / アフリカツメガエル卵母細胞 / ラット脳mRNA / アセチルコリン受容体 / 培養神経細胞 / 生存率 |
Research Abstract |
1.過酸化脂質(LOOH)は、リポキシゲナーゼによって、リノール酸、リノレイン酸などにO_2を添加し、エーテル抽出後、ドライシリカゲルクロマトグラフィーにより精製した。2.LOOHにより生じる培養神経細胞の膜イオン電流揺ぎのパワースペクトルはイオンチャネルによる電流の特徴であるLorentzian曲線の和では表現できずこの膜イオン電流がイオンチャネルの開閉によるものでないことを示唆している。神経伝達物質により活性化される受容体イオンチャネルに対する影響は、Fura IIによる細胞内Ca測光法を用いて発展的に研究中である。3.LOOHが培養ラット脳神経細胞の生存に及ぼす影響について調べた。発生19〜20日目の胎児の大脳皮質海馬、視床下部より得た培養神経細胞を用いて、培養9日目より培養液中にLOOHを加えてさらに3及び7日間培養した場合に生き残った神経細胞数の、LOOHを加えなかった場合に対する比を、LOOH濃度10^<-9>-10^<-4>Mの範囲で求めた。LOOHは海馬培養神経細胞の生存率を最も低下させ、大脳皮質及び視床下部の細胞はそれより弱い作用をうける。3種の細胞とも100uMLOOH存在下に3日間培養するとほぼ生存率ゼロである。3日間、7日間LOOH存在下で生存率のED_<50>はそれぞれ海馬50nM,10nM,大脳20uM,4uM,視床下部2uM,1uM程度であった。海馬細胞で0.1-10uM間にプラトー領域があるが、これは海馬細胞に存在する2種以上の細胞種に対するLOOHの毒性が異なることを示していると思われる。LOOHを3〜7日間加えた方が、加えない場合よりも生存率が10nM付近で高くなる現象が、大脳皮質、視床下部細胞に見られた。これは低濃度では、若い神経細胞の補償能力がLOOHの害を上まわるためと考えられる。
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Research Products
(1 results)