1988 Fiscal Year Annual Research Report
中等教育と大学の一般教育における「磁気と磁石に関する教授プログラムの研究」
Project/Area Number |
62580230
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Research Institution | Miyagi University of Education |
Principal Investigator |
河原田 廣司 宮城教育大学, 教育学部, 教授 (10006405)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
千葉 芳明 宮城教育大学, 教育学部, 助教授 (40113881)
永田 英治 宮城教育大学, 教育学部, 講師 (20164428)
伊達 宗行 大阪大学, 理学部, 教授 (80028076)
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Keywords | 物理教育 / 磁気・磁石 / 教授プログラム / 教材史 / 教育用電磁石 / 常磁性体 / 反磁性体 / 演示実験化 |
Research Abstract |
1.中等教育・大学一般教育における磁気と磁石についての教授プログラム作製のために、<磁気の本質とは何か/何を考えるべきか>について検討して次のことを確認した。つまり、難しい理論を持ち込まなくても、一般に普及している磁気的素材や磁石を用いて、<磁性体の分類とその性質>、<磁性の性質と極、その強さ>などを、直観に訴える指導方法があり得ることである。 2.磁気・磁石教育のプログラムや実験教材を開発する上で、次の歴史的な教材が参考にできることを明らかにした。(1)1880年代後半の初等教育を中心とする磁石の簡易実験開発-「分子磁石説」、静磁気誘導における演示実験など。(2)1900年前後の旧制中学校における磁性体や「分子磁石説」、地球磁場に関する教材。(3)1940年代の初等・中等教育における永久磁石と電磁石を比較する教材や磁石を用いた作業的教材。(4)1970年以降の稀土類磁石を用いた実験教材の開発。 3.(1)強磁性体・常磁性体・反磁性体の性質を直観的に示す実験の教材化の見通しをたてることができた。そこでは、教育用電磁石を作製し、それを用いたデモンストレーションをいくつか試作した。CuSo_4やMnCl_2の飽和水溶液を磁界にかけると力を受けることを見せる実験や、シャープペンの芯や細い銅線の場合には逆の力を受けることを見せる実験である。(2)さらに、入手が容易な小型ネオジューム磁石による同様の実験を試みて、身近な物質について、強磁性体以外にもその磁性を示す実験が開発できるとの感触を得ている。(3)様々な種類の磁石や色々な形をした磁石、及び磁気素材の磁極を視覚的に確認する教材化が可能であるとの感触を得た。(4)また、新素材を用いてこれまで見ることができなかった実験をいくつか行うことができた。たとえば、ファラデー回転の実験である。
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[Publications] 河原田廣司: 物理教育研究. 16. 44-44 (1987)
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[Publications] 千葉芳明: 物理教育. 35. 255-257 (1987)
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[Publications] 千葉芳明、野田幹雄: 物理教育. 36. 115-118 (1988)
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[Publications] Yoshiaki Chiba,Hidenobu Hori,Kenji Yonenobu,Akio Yamagishi,Muneyuki Date: Jpn.J.Appl.phys. 26. L1258-L1259 (1987)
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[Publications] Kazuo Kadowaki,Yoshiaki Chiba,Koichi Kindou,Muneyuki Date: J.Phys.Soc.Jpn. 57. 4366-4374 (1988)