1987 Fiscal Year Annual Research Report
数学教育の視点からみた物理教育における教材開発の研究
Project/Area Number |
62580253
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Research Institution | Gifu Shotoku Gakuen University |
Principal Investigator |
石原 敏秀 聖徳学園岐阜教育大学, 教育学部, 助教授 (50151395)
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Keywords | 物理教育 / CAI / 教材開発 / 高等学校 |
Research Abstract |
最近, 高等学校, 大学の教育課程において, 学生・生徒の「物理ばなれ」の現象が次第に顕著になりつつある. この打開策として「文化のための物理」とか「数式を使わない物理」というキャッチフレーズのもとでの教育改善の試行がいくつも見られるが, それらが物理教育推進のために十分な効果を挙げているとも, またその方向が唯一のものとも思われない. しかも, コンピューターが現在の社会生活の, いずれの分野においてもその分野の進歩発展と深くかかわりを持つにつれて, 数学的思考の有用性やその学習の必要性の認識は急速に深まってきた. そこで, 物理教育においても数学の特質を最大限に追求活用し, 数学的処理による精密な理論的理解を求めることにより, かえってその本質に直線的にせまり, また科学の深みと面白味と理論的華麗さを明らかにして, 学習意欲の向上をはかりたい. 以上の目的のため, 本年度は岐阜大学教育学部カリキュラム開発研究センターの教材データベースを利用しながら, 物理教材のうち, 波動・相対運動など数本のCAIソフトを作成し, 順次, 岐阜県下の高等学校で試行を行った. この中で特に数式処理(式の単純化・媒介変数の導入・数学公式集の利用)や, 解法・解の吟味・条件の吟味, また極限の考えを用いて, 与えられた条件のみならず, 例外的条件へのあてはめ, 近似の利用で, 省略項の効果や, それを無視できない条件等を考えることを重視した. 試行結果の解析は現在継続中である.
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