1987 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
62601001
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
山田 正 北海道大学, 工学部, 助教授 (80111665)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
嵯峨 浩 苫小牧高等専門学校, 土木工学科, 助手 (50153929)
山梨 光訓 専修大学北海道短期大学, 土木科, 助教授 (10099111)
藤間 聡 室蘭工業大学, 土木工学科, 助教授 (00002915)
佐渡 公明 北見工業大学, 工学部, 教授 (90003201)
内島 邦秀 北見工業大学, 工学部, 助教授 (40003181)
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Keywords | 降雨流出 / 融雪 / 試験地流出 / 日射量 / 凍結 |
Research Abstract |
北海道における春先の異常出水はその性質から二つのタイプに大別されることがわかった. その一つは北海道中央部などの多雪地帯の異常出水で, 春先の急激な暖気による融雪とこれと同時に生起する降雨によって引き起こされるものであり, 他の一つは北海道東部などの小積雪地帯のもので, 流域の表層土が凍結して, いわばアスファルト道路のように不浸透流域を形成している場合であり, この上に降雨がある場合には高い流出率を示す. 前者の融雪出水において流出斜面全体がいまだ雪で覆われている場合には積雪深の減少とともに毎日の出水のピーク時刻はしだいに早くなってくるが, 斜面の所々に地表が露出しはじめると出水のピーク時刻は3〜4時間程度遅くなってくる. これに関しては地表と積雪最下底の間に氷層が存在しており, それが河道まで連続して形成されているか否かにより, 融雪水が地中を経ずして河道に達するか, あるいは一度地中を経由した後, 河道に達するかがきまり, これにより出水のピーク時刻の遅早が決定されているようである. 少雪寒冷地帯の流域における春先の流出率は概ね夏期・秋期の流出率の1.5倍の程度になっている. 融雪最盛期における流出量といくつかの気象要素の関係では気温との相関関係は相関関係で0.58〜0.78程度をとり最も相関が高く, 日商時間の影響はさほど大きくない. 北海道東部においては, 融雪最盛期の昼間の潜熱交換量は蒸発・凝結どちらの現象も現れ, 風速は融雪を増大させる場合と現象させる場合の両方があることなどが明らかになった. 次に, フミン質を流出機構を探るトレーサーとして使うことを初めて試みた. その結果, 土中水のフミン質濃度(E260値)は地表からexponential的に減少しており, かつ降雨期間中比較的一定の値を示していた. このことからフミン質のトレーサーとしての有用性を確認する事ができる. つぎにフミン質の土中での濃度分布を用いて流出成分の分離を行っているが, この結果特定の流域についてではあるが, 大降雨時の流出の大部分は地表数10cm(30cm程度)以下のものが大部分であり, ピーク流量時に地表下5〜20cm程度の所を流れる成分が上乗せられていることがわかった.
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Research Products
(6 results)
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[Publications] 山田 正: 坏学会北海道支部論文報告集. 44. 245-250 (1988)
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[Publications] 山田 正: 第32回土木学会水理講演論文報告集. 32. 55-58 (1988)
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[Publications] 佐渡 公明: 土木学会北海道支部論文告集. 44. 255-260 (1988)
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[Publications] 山梨 光訓: 土木学会北海道支部論文報告集. 44. 218-222 (1988)
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[Publications] 内島 邦秀: 土木学会北海道支部論文報告集. 44. 223-228 (1988)
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[Publications] 嵯峨浩: 土木学会北海道支部論文報告集. 44. 235-238 (1988)