1987 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
62601512
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
吉田 昭治 新潟大学, 積雪地域災害研究センター, 教授 (80018530)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
和泉 薫 新潟大学, 積雪地域災害研究センター, 助教授 (50114997)
高浜 信行 新潟大学, 積雪地域災害研究センター, 助教授 (20018948)
佐藤 修 新潟大学, 積雪地域災害研究センター, 助教授 (00022624)
小林 俊一 新潟大学, 積雪地域災害研究センター, 教授 (70001659)
藤田 至則 新潟大学, 積雪地域災害研究センター, 教授 (70015501)
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Keywords | 地すべり / 豪雨 / 融雪 / 初生地すべり / 地すべり亀裂 / 地下水位 / 間隙水圧 / 水質 |
Research Abstract |
1.目的と方法:本研究は地質・気象・土質・地下水質の各側面から, 豪雨融雪水など地表供給水による地すべり発生機構を総合的に研究し, 地すべり発生の予測に役立てることを目的とした. 新潟県山方志村東虫亀地区を地すべりモデル地区として選び, 地質・気象・地下水の現地調査・自動観測を行った. データの収録は, 現地でICカードに自動収録する方式と, 有線通信システムにより研究室で随時フロッピーディスクに収録する方式をとった. 両方式とも長期の積雪下の連続データをとるのにも成功した. 豪雨時の水の研究は偶然に支配されて実行が困難であるので, 本研究ては融雪水の供給を長雨モデルを兼ねるものとみなして, 現地調査を行った. 2.成果と意義:調査地でき地表地質・地形調査と深度100mのボーリング調査によって, 古期の初生的巨大地すべり亀裂と移動地塊(規模は1.5km×1.5km×0.1km以上)の存在を確認した. 移動地塊の内部はより小規模にブロック化しており, その一部は現在も2次すべり活動を続けているが, 巨大亀裂の側端部には特にそれが集中する傾向が認められる. この調査結果から従来基岩(地山)と判定されてきたものは, 実は固結した地すべり面を多数挟在する巨大な古い地すべり移動地塊であることが判明した. 3.融雪水量 その他の気象の連続観測から平均気温と融雪水量の関係を得ることができ, また降雨・融雪水の地中浸透量を算定することを試みている. 地下水位・水圧の観測からは斜面の位置, 深さによって雨水・融雪水に対する水位・水圧の応答が一様でないこと 水質調査から地下水は水脈をなして流れていることなどを確認できた. 今後, 巨大亀裂を含む大小の亀裂への雨水の集中機構を解明し, これと地すべり面の間隙水圧変動との関連性を究明できれば 豪雨による地すべり発生機構の解明と地すべり防災対策に新しい寄与をなすことにならう.
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Research Products
(3 results)
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[Publications] 小林俊一: 第6回日本自然災害学講演会学術講演要旨集. 103-104 (1987)
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[Publications] 佐藤修: 新潟大学災害研年報. 9. 115-124 (1987)
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[Publications] 高浜信行: 新潟大学災害研年報. 9. 85-90 (1987)