1987 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
62601523
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
村本 嘉雄 京都大学, 防災研究所, 教授 (50027223)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大久保 賢治 京都大学, 防災研究所, 助手 (50135612)
藤田 祐一郎 京都大学, 防災研究所, 助教授 (90027285)
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Keywords | 貯水池決壊 / ダム決壊 / 洪水流出 / 土砂流出 / パイピング / 段波 |
Research Abstract |
本研究では, 貯水池の決壊の形態と過程を既往の災害事例と基礎実験及び水理解析によって研究するとともに, 決壊時の洪水・土砂流出量とその流下過程について固定床・移動床水路実験を行い, その解析から貯水池決壊に伴う洪水土砂流出を予測するための基礎的知見を得た. 先ず, 土堰堤を中心に豪雨時の決壊原因を検討した結果, パイピングによる決壊過程に不確定な要素が多く, その機構解明が重要なことが指摘された. ついで, 堤体底面に先端浸透型及び全面浸透型のパイプ状空調が堤体中央と下流法肩位置に発生し, 破壊が進行する場合を想定して, 3種類の均一砂を用いた鉛直二次元の浸透実験を行い, 噴砂現象の発生に注目した破壊過程の区分ならびに過剰間隙水圧が堤体の変形・破壊と浸透流量に及ぼす影響について考察した. また, 有限要素法を用いた浸透解析からパイプの発生による浸潤線・間隙水圧分布・浸透流量の変化を予測し, 浸透流量の増加量とパイピングの進行との関係を明らかにした. つぎに, 貯水池の推砂高・水深・貯水延長・下流端条件を変化させた広範な基礎実験を行い, 洪水・土砂流出のハイドログラフについて水理解析の結果と比較し, その適用限界を明らかにするとともに, 推砂高・水深比の増加に伴う土砂流出機構と流出土砂量に対する支配水理量の変化について考察した. 一方, 洪水・土砂の流下過程については, 固定床及び移動床の急勾配水路を用いて, 水と土砂を含む貯水池の瞬時決壊実験を行い, 段波の伝幡速度と変形過程ならびに河床変動と下流への流出土砂量に注目して検討を行った. その結果, 固定床における段波の変形と逓減が顕著で, 伝幡速度から評価した抵抗係数が定常流の場合の3〜5倍になり, 移動床の場合は波形が急峻で一様進行波に近く, 抵抗係数も2〜3倍増にとどまることが明らかになった.
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[Publications] 村本 嘉雄: Proc.of US-Asia Conference on Engineering for Mitigating Natural Hazards Damage. B8-1-12 (1987)
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[Publications] 村本 嘉雄: 昭和63年度土木学会関西支部年次学術講演会請〓集.
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[Publications] 村本 嘉雄: 京都大学防災研究所年報. 31-B-2. (1988)
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[Publications] 藤田 裕一郎: 京都大学防災研究所年報. 31-B-2. (1988)