1987 Fiscal Year Annual Research Report
人為起源物質の制御にはたすリスク評価と管理手法の役割
Project/Area Number |
62602005
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
北畠 能房 筑波大学, 社会工学系, 助教授 (20109896)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
秋山 紀子 (財)統計研究会, 研究員
飯島 伸子 桃山学院大学, 社会学部, 教授 (20010019)
阿部 泰隆 神戸大学, 法学部, 教授 (80030617)
池田 三郎 筑波大学, 社会工学系, 教授 (40026307)
松原 望 東京大学, 教養学部, 教授 (20000185)
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Keywords | リスク概念 / 統計学 / リスク発生構造 / リスク被害構造 / リスク評価 / リスク管理 / 法律学 / 環境資源 / 経済学 / 評価支援システム / 物質循環 |
Research Abstract |
本年度は6つの個別研究課題について研究をすすめるとともに, 研究課題に関連する研究動向の把握のために, 格子をまねいて研究交流をおこなった. まず第1課題である「リスク概念の発生経緯と環境政策との係わりの解明」について, 文献およびヒヤリング調査により確率論史からみたリスク概念の発生経緯としてベルヌーイ論文をとりあげ, 現代的意義について検討した. 第2課題「リスクの発生・伝搬構造の解明」については, 都市における物質循環をシステム論および経済学の観点から考察することによって, リスク要因を生起せしめる社会経済構造の特質を明らかにするための方法論的検討および予備的なデータ収集・解析を行なった. 第3課題「リスクの被害構造の解明」については, 日常生活において人々が人為起源物質とどのようにつきあっているかの実態把握として, 美容員の顧客を対象にして大規模アンケート調査を実施した. 第4課題「先端技術リスク評価の理念と枠組み:リスク評価支援システムにむけて」では, バイオテクノロジに代表される先端技術のリスク分析の特徴と枠組みを明らかにするとともに, 評価支援システムの開発にむけて基本的機器の購入をおこなった. 第5課題「リスク管理手法と経済合理性」については, 自然現象由来のリスクと比較して, 人為的要素が強く被害発生の不確かな場合のリスク管理手法の特質についてゲーム論的考察を加えるとともに, 関連事例の収集を行なった. 最後に第6課題「リスク管理法制の方向づけ」については, 関連分野の専門家のヒヤリング調査によって, 人為的要素の強い場合のリスク管理法制を構想する場合の留意点について検討した.
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Research Products
(4 results)
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[Publications] S.Ikeda: Risk Analysis. 6. 389-401 (1986)
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[Publications] 北畠能房: 環境情報科学. 17. (1988)
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[Publications] S. Ikeda: "Economic-Ecological Modeling 12章(Economic-Ecological Models in Regional Total Systems)" Elsevier Science Publishers, 185-203 (1987)
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[Publications] Y.Kitabatake: "Mathematical Modelling of Environniental and Ecological Systems (A dynamic predator-prey model for the utilization of fishesy resources)" Elsevier Science Publishens, 233-254 (1987)