1987 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
62603523
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
杉山 幸三 名古屋大学, 工学部, 教授 (50023023)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
桑原 勝美 名古屋大学, 工学部, 助手 (40023262)
鈴木 豊 名古屋工業大学, 工学部, 助手 (60023214)
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Keywords | 耐食膜 / シリカCVD / シリコン膜アニーリング |
Research Abstract |
主としてSUS304及びIncolloy800の10×20×1mm鋼板を基質とし, Si(OEt)_4(以後TEOS)-O_2-Ar系からのSiO_2CVD条件, SiH_4-Ar系からのSi蒸着条件及びSi膜のアニール条件等を検討し, 最後に50%Cl_2-Ar中1173Kにおける耐食試験を行った. 1.SiO_2の均一蒸着条件 縦に5枚の基質を連結して吊し, 加熱領域での蒸着量分布を調べた. 析出温度は1000K以上で, 析出速度は1073K以上で速くなる. 1123Kでは炉長に沿って均一な析出が認められ, 膜質もち密であった. SUS304基質上に約4.5μm厚で蒸着されたSiO_2膜の断面のEPMAによると, 基質との界面に薄いCr_2O_3リッチな層が存在し, この層の強度は1223Kで蒸着したものでは数倍となった. また線流速170cm/S, 全圧9.2KPaTEOS濃度1.8%のとき, 炉長に沿って均一析出となることがわかった. Incolloy及びSUS316ULC基質でも同様な結果が得られた. 2.Si蒸着条件及びアニーリングの影響 SiH_4-Ar系から9.2KPa下での蒸着での最適条件は温度973K, 線流速260cm/S, SiH_4濃度0.4%であった. SUS304上のSi膜ははく離し易いが, Incolloy上では密着性がよく, Ar流中1073KのアニーリングではSi膜へのNi, Crの拡散が著しいが, 1273Kのアニーリング後では, Feの拡散も顕著に認められた. このアニーリング後, 上記最適条件でSiO_2を二重被覆したところ, SiO_2層へのCr_2O_3の拡散勾配が認められ, 密着性が優れていることがわかった. 3.1173Kにおける耐塩素試験 50%Cl_2-Ar中でIncolloyは約20分で腐食された. SiO_2単層コート品は30分後からゆっくり腐食され, SiO_2/Si二層品はさらにゆっくりした腐食を受けた. Si膜をアニールした二層品は約80分後まで完全に耐え, 以後エッジ及びかどの部分から腐食されたので, 今後この部分への処理の検討が必要である.
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Research Products
(1 results)