1987 Fiscal Year Annual Research Report
半導体光合成セルを用いた炭酸ガスの光還元による高エネルギー物質の合成
Project/Area Number |
62603525
|
Research Institution | Nagoya Institute of Technology |
Principal Investigator |
伊藤 要 名古屋工業大学, 工学部, 教授 (50024196)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
池田 章一郎 名古屋工業大学, 工学部, 講師 (90024364)
前田 益伸 名古屋工業大学, 工学部, 助教授 (40016580)
|
Keywords | 二酸化炭素の光電気化学還元 / 二酸化炭素の電気化学還元 / 半導体光電極 / 一酸化炭素 / メタン / P型リン化ガリウム電極 / ガス拡散電極 |
Research Abstract |
半導体光合成セルを用いたCO_2の光電気化学還元によりメタン, 一酸化炭素などの高エネルギー物質を合成しようとするもので, 太陽エネルギーを化学エネルギーに変換, 貯蔵する方法の確立を最終目的とするものであるが, 本年度は次のような基礎研究を行った. 1.半導体光電極を用いた半導体光合成セルとしては, n型半導体を光アノード, 金属電極をカソードにしたもの, 金属をアノード, P型半導体を光カソードとしたもの, n型半導体を光アノード, P型半導体を光カソードとしたものの3種類のセルが考えられる. CO_2の金属電極による電気化学的還元およびP型半導体電極による光電気化学還元を, それぞれ, カソードおよび光カソードとしたこれら光合成セルを実際に作動しうる可能性を考察した. 2.Cuを被覆したグラシーカーボン(gc)電極を用いたCO_2の電解還元によるメタンの生成は温度が低い程, ファラデー効率は高くなり, 0°Cでは約60%に達した. 光電着法でCuを被覆したP-GaP電極を用いたCO_2の光電気化学還元でのメタンの生成は20°Cでは極めて少量で, 10°C, 1°Cになると1.9%, 7.4%と増大したが, その効率はかなり小さい. その原因として下地のP-GaPの影響と, 光照射による電極表面の局部的温度上昇が考えられ, これら作動条件の改善によりさらに高い効率を期待できる. 3.ガス拡散電極の最も簡単なモデルとして, Au電着Au板電極を部分的に浸漬して三相界面を形成した場合には, 完全に浸漬した場合に比べて一酸化炭素生成のファラデー効率が増大し, Au電着SPE(Solid polymer electrolyte)電極ではさらに増大した. すなわち, CO_2の電解還元においてガス拡散電極の使用は還元生成物のファラデー効率に影響を与えることを明らかにした.
|
-
[Publications] 池田 章一郎: Bull.Chem.Soc.Jpn.60. 2517-2522 (1987)
-
[Publications] 前田 益伸: J.Electroanal.Chem.238. 247-258 (1988)
-
[Publications] 池田 章一郎: Proc. of Photoelectro chemistry and Electrosynthesis on Semiconducting Materials.