1987 Fiscal Year Annual Research Report
水性二層分配を利用した免疫アフィニティーによる生体高分子の分離に関する研究
Project/Area Number |
62603536
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
菅 健一 大阪大学, 工学部, 教授 (20029250)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
塩谷 捨明 大阪大学, 工学部 (50026259)
江夏 敏郎 大阪大学, 工学部, 助教授 (20029010)
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Keywords | 水性二層分配 / 免疫アフィニティー / 生体高分子の分離・精製 / モノクローナル抗体 |
Research Abstract |
本研究は, 水性二層分配法において, 低極性溶媒であるポリエチレングリコール(PEG)と二層を形成する安価で極性が高い水溶性溶媒の選択, および目的物質の抗体をリガンドとしてPEGに共有結合させることによって分離効率を上昇せしめることを目的としている. 本年度得られた成果の概要は, 1.モノクローナル抗体の調製 モデル系として牛すい臓由来RNase Aを精製目標蛋白質として選び, 抗RNase A抗体を調製した. RNase Aによって免疫したマウスから抗体産生能を持つひ臓リンパ球をとり, ミエローマとの細胞融合によりハイブリドーマを得た. モノクローナル抗体は, このハイブリドーマを細胞培養した培養液上清またはマウス腹腔内にてハイブリドーマを増殖させたマウス腹水から得た. これにより, マウス1匹あたり2〜4mg, またハイブリドーマ培養液上清100mlあたり1〜2mgの抗体が得られた. 2.PEG-抗体の作成 PEGに抗体を結合させる方法はいくつかあるがここではAbuchowshi法を応用した. 本法によりPEG-抗体が得られたが, 現在反応効率を調べ, 生成物の分離条件などについて検討している. 3.水性二層系の選択 PEG-リン酸カリウム系とPEG-Dextran系について検討したが,現時点ではPEG-Dextran系の方が有利なことがわかった. 更にDextranより安価なAquaphase-PPTについて検討中である. 4.免疫水性二層分配系のコンピューターシミュレーションによる評価 実験結果にもとづき, 向流分配法によるRNase Aの精製について, コンピューターシミュレーションによる評価を行なった. その結果, PEG-抗体を用いると必要段数が約1/30に縮小されることがわかった.
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