1987 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
62603545
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Research Institution | Kyushu Institute of Technology |
Principal Investigator |
松永 守夫 九州工業大学, 工学部, 助教授 (50117313)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
細川 邦典 九州工業大学, 工学部, 教授 (30039036)
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Keywords | 溶融炭酸塩 / 燃料電池 / メタンの内部改質 / 超酸化物イオン / 過酸化物イオン |
Research Abstract |
1.炭酸リチウムー炭酸カリウム混合溶融塩中でのメタンの化学反応性をガスクロマトグラフィにより研究した結果, 650°C以上の温度域で溶融炭酸塩がない場合に比べて, メタンの分解反応が促進することが明らかとはなった. メタンのみを通気した場合の排気ガス中に, 水素, 二酸化炭素および1酸化炭素が検出されたことから, メタンの通気により炭酸イオンの分解が進行することが判明した. また, この系におけるメタンの主反応は, 炭素の析出反応であり, 燃料極の障害となることが判明した. また, メタンに二酸化炭素や水蒸気を混入すると, メタンの反応は促進されるが, 水蒸気分圧が低い場合には炭素析出が生じることが判明した. 2.炭酸リチウムー炭酸カリウム系においてメタンの直接電解酸化について研究した結果, 650°Cではメタンの酸化電流は認められなかった. この原因としては, 溶融炭酸塩中でのメタンの溶解度が小さいことが考えられた. 一方, 800°Cではメタンの分解によって生じた水素と一酸化炭素の酸化に相当すると考えられる電流が認められた. 3.炭酸ナトリウムー炭酸カリウム混合溶融塩に超酸化物イオンもしくは過酸化物イオンを添加し, クロノアンペロメトリーによりこれらのイオンの分解速度と電気化学反応を検討した. その結果, この系における炭酸還元反応の第1波は過酸化物イオン, 第2波は超酸化物イオンの還元に相当することが判明した. また, 過剰の過酸化物イオンは, 超酸化物イオンと酸化物イオンに不均化することが明らかになった. 一方, 超酸化物イオンは, 低濃度では酸化物イオンと酸素に不均化することが, 高濃度の場合にはその反応機構は複雑であり解明できなかった. さらに超酸化物イオンと過酸化物イオンの拡散定数を求めるとともに, この系における平衡濃度を推定した.
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