1987 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
62604014
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
梶山 千里 九州大学, 工学部, 教授 (60037976)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
斎藤 軍治 東京大学, 物性研究所, 助教授 (40132724)
稲垣 道夫 豊橋技術科学大学, 工学部, 教授 (20023054)
妹尾 学 東京大学, 生産技術研究所, 教授 (40013099)
大津 隆行 大阪市立大学, 工学部, 教授 (00046864)
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Keywords | 分子配向膜 / ラングミュアーブロジェット膜 / 剛直ポリマー / ポリフマル酸エステル / ポリイミド / 黒鉛フィルム / 有機伝導体 / 有機超伝導体 |
Research Abstract |
1)水面展開単分子膜の凝集構造に及ぼす累積圧あるいは累積層数の影響を透過型電子顕微鏡による明視野像及び電子線回析像の観察とX線回析に基づくパラクリスタル解析より検討した. 展開圧0mN・m^<-1>で析出する水面上の微結晶は圧縮により結晶格子を再変性して大面積の二次元単分子膜となる. 2)種々の機能置換基をもつビニル系剛直ポリマーを効率よく合成するため, 1.ユージ置換エチレンの置換基と重合性について詳細に研究した. また, フマル酸エステル, マレイミドポリマーについて剛直性の評価を行い, 第三ブチル置換ポリマーは最も剛直なポリマーであることがわかった. 3)分子配向組織をもつ膜及びキャリアによる反応-輸送カップリング過程を解析するために, 先ず輸送タンパクのアルブミンによる種々の脂肪酸の輸送特性を詳細に解析した. さらにこれをミミックする系として両親媒性物質のミセル会合体による輸送についても検討を進めた. 4)ポリイミドフィルム(カプトン)を窒素気流中800°Cで1時間, 炭素化し,さらに2700〜3050°Cに加熱処理した. 3050°C処理後のフィルムは, 網平面間隔, 電気抵抗, 磁気抵抗およびホール係数などの特性値から, 高い結晶性と高い配向性を持つ黒鉛フィルであると評価された. 5)TYCn-TXF(X,Y=カルコゲン)と略される一連の化合物の合成と, それらが示す異常な伝導, 熱, 光物性を研究した. 現在までX=硫酸, Y=硫黄, セレン, テルル, n=1〜18の54種の物質を完了し, X=セレンに取り組んでいる. 幾つかの物質でファスナー効果やカルコゲン原子接触による荷電導性, 移動度を見出した. また, Tc>10KのBEDT-TTF有機超伝導体を新たに発見し, その構造, 磁気抵抗で今までの有機超伝導体に見られない異常を見出した.
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Research Products
(6 results)
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[Publications] T.Kajiyama: Chemistry Letters. 1737-1740 (1987)
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[Publications] T.Otsu: Acta Polymerica. 39. 5-8 (1988)
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[Publications] 杉山一男: 日本化学会誌. 1064-1070 (1987)
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[Publications] Y.Hishiyama: Jounal of Materials Science.
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[Publications] G.Saito: Pure and Applied Chemistry. 59. 999-1004 (1987)
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[Publications] H.Urayama: Chemistry Letters. 55-58 (1988)