1987 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
62604017
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Research Institution | Toyo University |
Principal Investigator |
吉田 泰彦 東洋大学, 工学部, 教授 (80134500)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鯉沼 秀臣 東京工業大学, 工業材料研究所, 教授 (70011187)
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Keywords | 薄膜 / 複合薄膜 / 積層薄膜 / イオンプレーティング / 電解重合 / プラズマ重合 / CVD / 分子デバイス |
Research Abstract |
研究目的は, 一つのモノマー単位に複数の電子機能サイトを有する高分子と無機物・金属の積層薄膜・複合薄膜を作製し, その物性と構造を解析して分子デバイスへの応用の可能性を探ることである. 具体的には, プラズマ重合, 電解重合を利用して金属や錯体を含む機能性複合薄膜の作製と構造制御を行い, 多機能性を有する複合薄膜を設計する. まず, 有機モノマーガスのプラズマ重合を行いながら同時に金属のイオンプレーティングを行い, 金属粒子を含んだ複合薄膜を作製し, その機能性について検討した. 有機薄膜は一般に絶縁性を示すが, 金属を混入すると導電性を示してくる. 得られた複合薄膜は混入した金属の種類に関係なくいずれも負の抵抗温度係数を示し半導体的特性を示した. この複合薄膜の導電機構については, 一部トンネル効果的な導電機構を示したが, 大部分はプール・フレンケル型の導電機構と思われる. この様に作製した有機-無機の複合薄膜を透過電子顕微鏡で観察するとガス圧の低い領域で得られた薄膜は細かい金属粒子が一様に分布していることが認められ, が圧が高い領域で得られた薄膜は, 大きい金属粒子と細かい金属粒子が散在していることがわかった. 以上のように, イオンプレーティング法を用いて, 有機-無機の複合薄膜が容易に作製でき, 有機, 金属それぞれ単独では持ちえない機能性を付与することが可能であることを明らかにした. また, パルス流法により, 電解酸化重合, 電解還元重厚を一つの反応系内で交互に行い, 膜厚を制御した異なった機能を有する薄膜の多層積層化を実現した. さらに, 光・プラズマ ハイブリッドCVD法を開発し, P型半導体とn型半導体を多層積層したアモルファス超格子の作製も可能となった. 次年度は, これら複合薄膜・積層薄膜の作製法の詳細な検討とその機能性について検討する.
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Research Products
(8 results)
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[Publications] K.Kashiwagi: J.Vacuum Scicnce & Technology. A5. 1828-1830 (1987)
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[Publications] H.Koinuma: Jpn.J.Appl.Physics. 26. L761-L762 (1987)
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[Publications] H.Koinama: J.Cer.Soc.Jpn.95. 569-572 (1987)
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[Publications] 吉田泰彦: 化学工業. 38. 846-850 (1987)
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[Publications] 吉田泰彦: 日本化学会誌. 2013-2016 (1987)
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[Publications] M.Kawasaki: Natare. 331. 153-155 (1988)
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[Publications] 鯉沼秀臣: "セラミックス超電導材料" アグネ承風社, (1987)
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[Publications] 吉田泰彦: "分子設計技術" 株式会社サイエンスフォーラム, (1988)