1987 Fiscal Year Annual Research Report
遷移金属表面における触媒作用メカニズムの理論的解析
Project/Area Number |
62604501
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
大野 公男 北海道大学, 理学部, 教授 (40000731)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
野呂 武司 北海道大学, 理学部, 助手 (50125340)
舘脇 洋 北海道大学, 触媒研究所, 助手 (20002115)
田中 皓 北海道大学, 理学部, 講師 (00000860)
佐々木 不可止 北海道大学, 理学部, 助教授 (90000794)
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Keywords | Cuクラスター / 吸着 / CO / 励起状態 / CuCH_2 / 多電子励起効果 / MRSDCI |
Research Abstract |
Cuクラスターへの吸着:Cu_5および3種類のCu_4クラスターのCOからCOへの電荷移動遷移励起状態への励起エネルギーの計算をab-initio SCF-MO法及びCIを用いて行った. その結果を銅表面に吸着したCO分子の吸着エネルギー及び励起エネルギーの観測値と比較した. 4種類のクラスターへのCO吸着安定化エネルギーは0.62eVと0.35eVの間に求まり, 実験値0.61eV-0.52eVと比較的良い一致を得た. 更に吸着によって新たに現れる6-10eVの間にある2ピークはCO内5δ→π^※π^※及びCuからの電荷移動遷移3d→πD^※からなること, 13eV付近のピークには4δ→π^※遷移が寄与するとの結論を得た. F-T反応にはCH_2分子の関与が議論されるが, まず電子構造に対する基礎的研究として最小クラスターCuCH_2を取り上げて計算を行った. CuCH_2は結合によって強く安定化され(計算された安定化エネルギーは2eV)そのCH, CuC伸縮, HCH偏角振動の振動数は波数を単位として2868, 618, 1406であり, 単離されたCuCH_2の実験値とは各々2961, 614, 1345と大変良く一致した. Cu原子のクラスターを増やした計算を続行する. 遷移金属錯塩の電子構造を精度良い計算によって研究するには多体相関を有効に取り入れる計算法が大切となる. 本研究において, 多参照関数による1.2電子励起CIの枠内で多電子励起を含める計算手法を安定化した. 現在プログラムを開発中である.
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Research Products
(1 results)