1987 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
62604508
|
Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
増本 剛 東北大学, 工学部, 教授 (00181660)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
野田 泰稔 東北大学, 工学部, 助教授 (10005407)
|
Keywords | 二硫化銀ガリウム / カルコパイライト / 結晶成長 / フォトルミネッセンス / 光電導度, 格子欠陥 |
Research Abstract |
カルコパイライト型三元化合物半導体AgGaS_2は直接遷移型のバンド構造をもち, 近年青色発光材料として期待されている. 本研究では完全度の高いAgGaS_2単結晶の作成を試み, 得られた試料について光電的測定などを行うことによって格子欠陥の評価と制御を進めることを目的とする. 単結晶の作成は, 予備反応により作成したAgGaS_2多結晶試料をもとに, 科学輸送方法およびブリッジマン法によって行った. 化学輸送法では, ヨウ素を輸送剤とし, 成長単結晶は黄色透明で最大約3×3×2mm^3であった. またブリッジマン法では, 成長単結晶は黄色不透明で最大約2×2×1mm^3であった. これら両方法により得られた単結晶について, 励起光源に連続発振He-Cdレーザ (波長441.6nm)を用い, 4.2Kでフォトルミネッセンスを測定した. 測定したすべての試料について, 2.48eV近傍にブロードな発光ピークが, また禁制帯幅に近い2.7eV近傍に鋭い発光ピークが観測された. また電気的測定として電流電圧特性, 暗電導度, 光電導度の測定を行った. その際In電極によって良好なオーミック接合が得られることが知られた. 温室での暗電導度は化学輸送法およびブリッジマン法で得られた各単結晶において, それぞれ約10^<-9>(Ω・m)^<-1>および10^<-10>(Ω・m)^<-1>であり, 結晶成表法の違いにより約1桁の差が見出だされた. 光電導度の測定では, 成長法の相違にかかわらず電気電導度およびその温度依存性が全く同じ傾向を示し, これらき結晶中では浅いトラップが優勢であることが知られ, そのトラップは真性欠陥と関連することが予測された. 結晶中の真性欠陥を制御するために今後不純物の効果を軽減し, さらに種々に制御された硫黄気中での熱処理を進める予定である.
|
Research Products
(5 results)
-
[Publications] T.Ohyama: Jpn. J. Appl. Phys.26. L136-L138 (1987)
-
[Publications] M.Isshiki: Solid Stute Commun.62. 487-490 (1987)
-
[Publications] M.Isshiki: Phys. Reu B.36. 2568-2577 (1987)
-
[Publications] K.Mochizuki: J.Cryst. Growth. 84. 1-6 (1987)
-
[Publications] K.Mochizuki: Proceedings of European Solid State Device Research Conference. 261-264 (1987)