1987 Fiscal Year Annual Research Report
巨大な電気光学効果を有する有機色素・共役ポリマー薄膜の作製プロセスと光物性評価
Project/Area Number |
62604531
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
腰原 伸也 東京大学, 理学部, 助手 (10192056)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
十倉 好紀 東京大学, 理学部, 助教授 (30143382)
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Keywords | 電気光学効果 / π電子性有機色素 / 共役ポリマー / 電荷移動励起状態 / 電場変調分光法 / フレンケル励起子ポリジアセチレン / 非線形感受率 |
Research Abstract |
本研究の目的は, 2次の電気光学効果(3次の非線形光学効果に対応)の大きいことが記載されるπ電子性の有機色素薄膜, 共役ポリマー薄膜を作製し, その電気光学的特性をπ電子構造の起源にまで遡って検討し, 基礎的知見を集積することにあった. 本年度は, この目的に沿って, 具体的対象としてフタロシアニン等の色素分子および種々の側鎖置換基を有するポリジアセチレンを選び, これらの薄膜を真空蒸着方およびラングミュアーブロジェット法(LB法)によって作製し, 以下(1)(2)に述べる様に主として電場変調分光法によってその特性を評価した. (1)金属フロシアニン(M-Pc)β型結晶の電場変調反射分光測定から, Pc結晶での電気光学効果は分子結晶としては例外的に大きくその起源は分子間電荷移動(CT)光励起状態に由来することが明らかとなった. 又種々のM-Pc真空蒸着膜についての電場変調吸収分光測定からは, CT励起状態と分子内π-π*遷移の混成の程度と, 電気光学効果の大きさに相関があることが明らかとなった. 更に高圧下での吸収スペクトル測定によって, CT励起と分子内励起(フレンケル励起子)状態の強い混成効果について詳細な知見を得ることも出来た. (2)側鎖基として長鎮アルキル及びウレタン基を持つポリジアセチレン薄膜(真空蒸着膜, LB膜)について電場変調吸収分光測定を行い, 従来知られていた励起子吸収('Bu)帯よりも高エネルギー側にCT励起状態('Ag励起子)が存在することを見出した. 又このCT励起収態がポサジアセチレンにおける強い2次電気光学特性(又は3次の非線形光学特性)の起源となっていることも明らかにした. 更に, 得られた方電場変調スペクトルより'Bu, 'Ag励起子間の遷移振動子強度を精密に評価し, ポリジアセチレン薄膜における3次の非線形感受率(X^<(3)>)の共鳴分散曲線の計算も行った.
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[Publications] T.Tokura,T.Kanetake and T.Koda: Synthetic Metals. 18. 407-412 (1987)
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[Publications] Y.Tokura,K.Ishikawa,T.Kanetake and T.Koda: Phys.Rev.B36. 2913-2915 (1987)
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[Publications] T.Kanetake,K.Ishikawa,T.Koda,Y.Tokura and K.Takeda: Appl.Phys.Lett.51. 1957-1959 (1987)
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[Publications] K.Fukagai.K.Ishikawa,T.Kanetake,T,Koda,S.Koshihara and Y.Tokura: Appl.Phys.Lett.
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[Publications] 西川 智志,国府田 隆夫,十倉 好紀,入山啓治: 日本化学会誌. 11. 2095-2100 (1987)