1987 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
62604536
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Research Institution | Tokyo University of Agriculture and Technology |
Principal Investigator |
松岡 英明 東京農工大学, 工学部, 助教授 (10143653)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
安藤 穣 東京農工大学, 工学部, 助手 (50107158)
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Keywords | 植物バイオトランスデューサー / 匂い検知 / 電気化学的応答 / CO_2ガス応答 / ジャスミン香 / ラベンダー香 / クチナシ |
Research Abstract |
植物の葉が様々なガス分子を高感度に感知し得ることが明らかにされてきている. 本研究はこのような葉のガス検知特性を明らかにし, これをバイオトランスデューサー材料として利用するための基礎技術を開発することを目的として遂行し, 以下の成果を得た. 1.バイオトランスデューサー用植物材料の検索:人間に対して生理活性作用を有するジャスミン香(J)及びラベンダー香(L)の香料6種, イチョウ, クチナシなど6種の植物の組合わせについて匂い応答をを調べた. 匂い分子に直接応答する例はなかったが, CO_2ガス(100%)に対する応答が匂い分子によって変化する列が種々見い出された. 特にベンジルアセテート(BA, J香), リナリルアセテート(LA, L香)に対してはいずれの植物も比較的大きな応答を示した. 中でもクチナシは顕著な応答を繰り返し示し, これら匂い物質を測定対象とした植物材料に最適であるとの結論を得た. 2.葉の構造モデル:タバコの葉の茎の付け根をアシッドオレンジ(AO), エオシン(E), サクラニンT(ST)の水溶液に浸漬したところ, 酸性色素であるAO, Eは葉の先端まで拡散したが, 塩基性色素のSTは吸収されなかった. すなわち葉脈内は連続した一相で, しかも葉脈内壁は塩基性になっていることが推察された. 葉脈から葉肉層への色素の拡散は見られなかった. 3.応答の定量性:BAについてCO_2ガスをキャリヤーとして種々の濃度を設定し, ガスクロマトグラフィーによるヘッドスペース分析を行なったが, ガスの流速, 吸着剤の種類及び量, またヘッドスペース部や吸着管の形状等検討すべき点が非常に多いことがわかった. しかし逆にこれは植物による匂い検出が極めて高感度かっ簡便に行えることを示唆するものであり, 植物がバイオトランスデューサー材料として極めて有望であることがわかった.
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Research Products
(7 results)
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[Publications] Hideaki MATSUOKA: Biosensors. (1988)
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[Publications] 松岡 英明: 化学装置. 29. 119-121 (1987)
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[Publications] 松岡 英明: フレグランスジャーナル. 15. 37-42 (1987)
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[Publications] 松岡 英明: 化学と生物. 25. 377-378 (1987)
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[Publications] 松岡 英明: 日本音響学会誌. 43. 618-627 (1987)
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[Publications] 松岡 英明: 化学工業. 38. 963-967 (1987)
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[Publications] 軽部 征夫: "バイオセンシング" 啓学出版, 236 (1988)