1987 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
62604543
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
安部 明廣 東京工業大学, 工学部, 教授 (50114848)
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Keywords | 高分子液晶 / サーモトロピック液晶 / 重水素NMR / コンホメーション / 配向秩序パラメーター / 相転移 |
Research Abstract |
液晶の特徴は, 液晶ドメイン中におけるメソゲンの高配向性になる. 主鎖型高分子液晶中のメソゲンの配向秩序パラメーターはS【similar or equal】6程度であり, 完全に剛直な棒状高分子がリオトロピック液晶状態で示す値S【similar or equal】8-0.9には及ばない. 本研究は, 液晶状態における分子軸の方向, メソゲンの配向, スペーサーの配向を重水素NMRを用いて解析し, 高分子液晶の高性能化の基礎データを得ることを目的とする. 本年度, シアノビフェニル基を両端に有するエーテル型2量体液晶(CBA)を2種 【*KA*】 (n=9, 10)合成し, 重水素NMRによる測定を行った. α及びβ位のみを重水素化した試料も合成してシグナルの帰属を行い, 観測の四極子分裂巾Δvから, ネマチック液晶状態における分子配向の解析を試みた. 分子内で隣接するメソゲンの中心を結ぶ方向に分子軸を設定し, スペーサーを構成する各結合まわりの統計重率を変数として, 実測の分裂巾の比を再現するまで繰り返し計算を行い, この解析モデルの妥当性を確認した. かくして得られた統計重率パラメーターの値を用いて, 液晶相におけるスペーサーの各結合まわりのトランス分率を推定し, アルキルスペーサーは, nが偶数, 奇数の両系とも, メンゲン端からトランス分率が交互に高くなっていることが明らかになった. 液晶相におけるコンホマー分率の知見をもとに, 液晶相一等方相転移点におけるコンホメーション変化に起因するエネルギーおよびエントロピー変化を求め, 相転移におけるスペーサーの熱力学的役割を検討した. さらに, 液晶の幾何学的形態, 即ちメソゲンの分子軸に対する配向秩序パラメーター, 分子軸のネマチック・ダイレクターに対する配向秩序パラメーターの推定も行った. 同様の手法を用いて, 既報のエーテル型液晶の 【*KA*】 スペクトル解析も〓〓〓
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[Publications] AKIHIRO ABE: MOL.CRYST.LIQ.CRYST.(1988)
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[Publications] AKIHIRO ABE: POLYM.BULL.(1988)
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[Publications] 古屋 秀峰: 第36回高分子学会年次大会発表(京都). 36(1). 917 (1987)