1987 Fiscal Year Annual Research Report
カスケード型増幅機能を有する生物機能性膜の開発とその応用
Project/Area Number |
62604545
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
軽部 征夫 東京工業大学, 資源化学研究所, 教授 (50089827)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
早出 広司 東京工業大学, 資源化学研究所, 助手 (10187883)
民谷 栄一 東京工業大学, 資源化学研究所, 講師 (60179893)
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Keywords | カスケード増幅 / 血液凝固系 / 生物機能性膜 / 高感度センサー / 水晶振動子 / 免疫測定 / バイオセンサー / 粘度測定 |
Research Abstract |
本研究ではカスケード増幅反応系としてカブトガニ血液凝固系を選択しこれを用いて増幅機能を有する生物素子を作製した. カブトガニ血液凝固系はリポポリサッカロイド(LPS)が初期因子として作用し, 連鎖的な反応を引き起こし最終的にコアギュローゲンのゲル化が進行する. この反応はカスケード的に著しく増幅されるため, 1ピコグラム/mlのLPSを検知することができる. この増幅反応を利用すれば, 特定の信号の増幅を行うことが可能と考えられる. そこで, LPSに抗体を結合した生物素子の作製を試みた. まずLPS懸濁液にNaIo_4を加え, 室温で1時間反応させ脱塩後, IgG溶液と反応させた. 次に0°CでNaBH_4溶液と2時間反応後, セファロースCL-4Bカラムでゲルロ過した. これによって得られた各フラクションをローリー法により蛋白質を, フェノールー硫酸法により糖を測定したところ, LPSとIgGの結合体と考えられるフランクションが得られた. このLPS-IgG 結合体のユアギユローゲンゲル凝固活性を調べたところ, 十分な活性を示すことが明らかとなった. またIgGに結合したLPSの量を測定したところ, IgG1分子に対して5分子程度のLPSが結合していることが示唆された. 次に作成した生物素子を測定する信号検索システムにつて検討した. すなわちコアギュローゲンのゲル化反応に伴う粘性の変化を連続的に測定するシステムとして水晶振動子に着目した. 水晶振動子の等価回路のパラメーターをインピーダンスアナライザー及びマイクロコンピューターによるデーター処理によって求めたところ, R_1が溶液の粘度によって変化することがわかった. そこで, 次にLPSによるゲル化反応を本システムを用いて測定した. その結果, 1ピュグラム/mlの高感度測定が可能であることが明らかとなった.
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[Publications] H.Muramatsu,J.M.Dicks,E.Tamiya and I.Karube: Analytical Chemistry. 59. 2760-2763 (1987)
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[Publications] M.Gotoh,J.M.Dicks,E.Tamiya and I.Karube: Analytical Letters. 20. 857-870 (1987)
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[Publications] Y.Kitagawa,E.Tamiya and I.Karube: Analytical Letters. 20. 81-96 (1987)
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[Publications] I.Karube and E.Tamiya: Pure and Applied Chemistry. 59. 545-554 (1987)
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[Publications] Y.Kitagawa,M.Ameyama,K.Nakashima,E.Tamiya and I.Karube: Analyst. 112. 1747-1749 (1987)
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[Publications] E.Tamiya,M.Gotoh,M.Tanaka,T.Matsui and I.Karube: Journal of Molecular Catalysis. 43. 293-301 (1988)
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[Publications] I.Karube and E.Tamiya: "Electrochemical Sensors in Immunological Analysis" Plenum Press (Edited by T.T.Ngo), 360 (1987)
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[Publications] 軽部征夫 (編・著): "バイオセンシング" 啓学出版, 236 (1988)