1987 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
62604555
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Research Institution | University of Yamanashi |
Principal Investigator |
木野村 暢一 山梨大学, 工学部, 助教授 (50029732)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
熊田 伸弘 山梨大学,工学部, 助手 (90161702)
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Keywords | 層状化合物 / インターカレーション / 酸化・還元反応 / ディリシエーション / リン酸タングステン |
Research Abstract |
1)還元反応による層状陽イオン交換体の層間陽イオン量の制御 WoP_2O_7を還元することにより, 層間に任意の量の陽イオンをインターカレートすることを試み, 陽イオン一個が層間で占める面積を, 広い範囲で制御できるようになった. 得られた化合物の層間の陽イオンを, 他の金属イオン(Li, K, Rb, Cs, Mg, Ca, SrおよびBa)および炭素数が18までの直鎖のアルキルアンモニウムイオンでイオン交換した. 多くの場合, 交換率は80%以上であった. また, 出発物質であるWoP_2P_7に種々のアミンを直接反応させて, ポスト層のWを還元することなくインターカレーション化合物を合成し, イオン交換により得られている化合物との比較を行った. 2)酸化による層の持つ負電荷量の制御 層状化合物LiNbO_2およびLi_2MoO_3を, 科学的あるいは電気化学的手法により酸化し, 層の持つ負電荷を減少させ, 層間のLiイオン量を制御することを試みた. その結果, Li/Nbの比は1.0から0.5のLi/Moの比は2.0から1.23の範囲で制御が可能であった. これらの化合物の格子定数変化は, 酸化に伴うホスト層中の遷移金属間に存在する金属-金属結合の原子価の変化に伴う強度の減少およびLiMoO_3の場合には層内に存在するLiイオンの挙動により説明された. 3)酸化反応による層状陰イオン交換体の作製 電気的に中性な層を酸化し, 層間に生じた正電荷に応じた量の陰イオンをインターカレートさせる試みを, VOCIおよびMnPS_3を用いて行った. この結果VOCIにピリジンをインターカレートさせた化合物を, 過塩素酸および亜臭素酸ナトリウムで酸化することにより, 出発物質と色と層間距離の異なる化合物が得られた. これらの化合物についてのキャラクタリゼーションは, 現在行いつつある.
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Research Products
(3 results)
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[Publications] Nobukazu Kinomura,Masashi Ohshiba,Masayuki Kobayashi Nobuhiro Kumada and Fumio Muto: J.Chem.Soc.Dalton Trans.1987. 609-612 (1987)
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[Publications] Nobuhiro Kumada,Suguru Muramatsu,Fumio Muto,Nobukazu Kinomura,Shinichi Kikkawa and Mitsue Koizumi: J.Solid State Chem.(1988)
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[Publications] Nobukazu Kinomura,Kiyoshi Onda,Masayuki Kobayashi,Nobuhiro Kumada and Fumio Muto: J.Mat.Sci.