1987 Fiscal Year Annual Research Report
光制御機能を賦与した包括材料の開発とその生体触媒固定化への応用
Project/Area Number |
62604566
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
田中 渥夫 京都大学, 工学部, 教授 (80026088)
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Keywords | 包括固定化 / エネルギー変換機能 / 半導体 / 酸化チタン(TiO_2) / 光制御酵素反応 / 生体材料素子 / 情報伝達 / 固定化酵素-半導体系 |
Research Abstract |
高度な機能をもちながら不安定で取り扱いにくいとされてきた生体触媒が包括固定化法により化学触媒としての重要性をもつようになってきたばかりでなく, 我々の開発した合成樹脂プレポリマーを用いる固定化によりさらに高度な機能をもたせることも可能となってきた. そこで, このような固定化生体触媒に外部からの光エネルギーに応答し, 触媒としてでだけでなくエネルギー変換をも行いうる情報伝達の生体材料素子としての機能を賦与することを試みた. 半導体である酸化チタン(TiO_2)は主波長が254nmをもつ紫外線の照射により, 生化学的酸化還元反応の補酵素であるNADHのNADへの酸化反応を触媒しうることがわかった. この補酵素を必須とするアルコール脱水素酵素(ADH)をTiO_2に共役させたところ, エタノールのアセトアルデヒドへの酸化反応が光制御酵素反応の解析系として適当であると判断できた. 次に, 固定化担体として, 合成高分子や天然高分子など種々の包括材料を調べたところ, 光透過性, 担体の膨潤性, 含有微量成分の反応系への影響などから, アルギン酸カルシウムで固定化したADH-TiO_2系が最も良く, 紫外線照射の下でNADH酸化との共役によりエタノールのアセトアルデヒドへの変換が可能であった. 溶液中にADHとTiO_2を分散懸濁した遊離系を対照にして, 1時間ごとに光照射のON・OFFを繰り返し, エタノールの酸化反応の進行状況を検討したところ, 固定化・遊離の両系とも光照射のスイッチングに応答して酵素反応も進行・停止した. しかし, 長時間の繰り返し実験において, アセトアルデヒドの生成速度は遊離系においてはしだいに減衰してくるにもかかわらず固定化系においてほぼ一定の生成速度を保ちながら推移し, より安定な応答が得られ, この固定化酵素-半導体系は光による酵素反応の制御系のモデルとして有用であることを明らかにすることができた.
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[Publications] Saburo Fukui: Methods in Enzymology. 135. 230-252 (1987)
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[Publications] Saburo Fukui: Methods in Enzymology. 136. 293-302 (1987)
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[Publications] Tsutomu Okada: Appl.Microbiol.Biotechnol.26. 112-116 (1987)
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[Publications] Tsutomu Okada: Biochem.Biophys.Res.Commun.145. 316-322 (1987)
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[Publications] Takuo Kawamoto: Biocatalysis. 1. 137-145 (1987)
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[Publications] Shigeru Kunugi: Polymer Bulletin. 18. 87-90 (1987)