1987 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
62604600
|
Research Institution | Seikei University |
Principal Investigator |
栗田 恵輔 成蹊大学, 工学部, 教授 (30102180)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小山 義之 成蹊大学, 工学部, 助手 (00162090)
|
Keywords | キチン / 水溶性キチン / アミノ酸NCA / グラフト重合 / キチン / ポリペプチド複合体 / キトサン / N-アシルキトサン / N-アルキリデンキトサン / N-アルキリデン水溶性キチン / ガラス転移 |
Research Abstract |
(1) キチンへのNCAのグラフト重合:水溶性キチンに対してγ-メチルL-グルタメートNCAを水/酢酸エチル系, 0°Cで反応させてキチンのアミノ基を開始点とするグラフト重合を行った. 条件を検討した結果, 水溶液中の反応であるにもかかわらず, スムーズに再現性良く進み, キチン/ポリペプチド複合体が調製できることが明らかになった. アミノ基に対してNCAを1.9〜26倍モル用いることによって平均重合度1.5〜22のポリペプチド鎖が導入された. このグラフト共重合のコンバージョンは70〜90%であり, 非常に高い. 残りのNCAは加水分解によって失なわれたものであり, ホモポリペプチドの生成は認められなかった. 従って, グラフト効率はほぼ100%と考えることができる. 生成物はDMSOに膨潤するが, 特に側鎖重合度の低いものは高い親和性を示し, ほとんど均一な溶解に近い状態になる. また, 生成物を炭酸ナトリウム水溶液で処理すると, 側鎖ポリペプチド中のエステル結合が加水分解されてカルボキシレートとなる. このものは水溶性を示し, 粘稠水溶液を与える. (2) アシル基, アルキリデン基の導入:高度に膨潤したキトサンにピリジン中で酸クロリドを反応させ, アミノ基にアシル基を導入した. 溶媒中の水含量を下げることによって効率的にアシル化できる. ノナノイルクロリドを用いてC_9の基で置換した誘導体の銅イオン吸着挙動を調べたところ, アシル化によって吸着能が大きく向上することが見い出された. 特に, 置換度の低いところで極大を示し, 長鎖アシル基の導入が有効であることが確認された. また, 種々の長鎖アルデヒドを用いて置換度の異なるN-アルキリデンキトサン, および, N-アルキリデン水溶性キチンを調製した. 生成物の溶解性は改善され, 極性溶媒に可溶になった. また, キトサンとデカナールからの誘導体はガラス転移現象を示した.
|
Research Products
(7 results)
-
[Publications] K.Kurita,S.Chikaoka,and Y.Koyama: Chem.Lett.9-12 (1988)
-
[Publications] K.Kurita,M.Ishiguro,and T.Kitajima: Int.J.Biol.Macromol.
-
[Publications] K.Kurita,A.Yosida,and Y.Koyama: Macromolecules.
-
[Publications] K.Kurita,S.Chikaoka,andY.Koyama: Bull.Chem.Soc.Jpn.
-
[Publications] K.Kurita,S.Chikaoka,and Y.Koyama: Int.J.Biol.Macromol.
-
[Publications] K.Kurita: ""Progress in Biotechnology 3, Industrial Polysaccharides"Chapter: Binding of Metal Cations by Chitin Derivatives. Improvement of Adsorption Ability through Chemical Modifications" Elsevier,Amsterdam, 10 (1987)
-
[Publications] 栗田恵輔: ""キチン・キトサンの開発と応用" 第4章:化学修飾による機能化" 工業技術会, 19 (1987)