1987 Fiscal Year Annual Research Report
MBE法によるII-VI族化合物半導体の結晶成長と評価に関する研究
Project/Area Number |
62604605
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Research Institution | Tokyo University of Technology |
Principal Investigator |
丸山 享 東京工科大学, 工学部, 教授 (90192351)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石橋 新一郎 東京工科大学, 工学部, 助教授
三田 陽 東京工科大学, 工学部, 教授
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Keywords | 分子線エピタクシ / II-VI族化合物半導体 / 薄膜 / 結晶評価 |
Research Abstract |
青色発光材料として期待されるZnSe薄層をMBE法により形成すること, 及びZnSe/GaAsヘテロエピタクシの成長機構解明を目標に実験を行った. 基板温度は330°Cに固定し, Se/Zn比を0.5〜3の間で変形させた成長を行い, 得られた成長層を2結晶X線回折法により評価した. Se/Zn比2.5, 熱処理時間20分の条件で成長させた試料(厚さ4.5um)では, (400)反射の半値幅は比較的小さく(180〃), 結晶完全性がよいことを示し, Se/Zn比2.8, 熱処理時間8分で成長させた試料(厚さ2.8um)では半値幅は340〃で, 前者に比べ結晶が悪い. また前者では, ZnSe(400)反射はGaAsのそれより780〃低角度側にあり, バルクGaAsとZnSeの反射角の差が680〃であることから考えて, 界面でZnSeとGaAsが格子整合し, その結果成長方向でZnSe格子が伸びていることを示す. 後者では, 反射角の差は685〃で上記680〃と大差がない. 従ってこの場合成長方向での格子の伸びはなく, 界面で格子整合がとれていないことが予想できる. ルミネセンスは上記2試料を含む数種類の試料について, He-Cdレーザを用い液体ヘリウム温度で測定し, バンド端付近の自由励起子による発光と, 一部の試料ではこのほか束縛励起子によると思われる発光がみられた. また大部の試料では, 深い準位によるとみられる1.8〜2.4eVの幅広い発光帯が観察された. この発光の原因は今のところわからない. これまでの結果では, 結晶性のよい試料においてバンド端付近の発光がより明瞭な構造を示し, 長波長発光に対する相対強度は増加の傾向にある. 今後は引続き格子整合及び結晶完全性を検討し, ヘテロエピタクシにおける成長機構を明らかにする. これと並行してアンドープ結晶の高純度化を行い, 光ルミネセンスなどの手段による評価と合わせて, 不純物添加のための基礎データを得る.
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Research Products
(2 results)