1987 Fiscal Year Annual Research Report
しきい光電子分光法による金属陰イオンクラスターの電子親和力の決定
Project/Area Number |
62606520
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Research Institution | Tokyo Metropolitan University |
Principal Investigator |
阿知波 洋次 東京都立大学, 理学部, 助教授 (20002173)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鷲田 伸明 国立公害研究所, 大気環境部大気化学室, 室長 (70101045)
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Keywords | レーザー光脱離 / 金属クラスター / 電子親和力 / しきい光電子 / 電子構造 |
Research Abstract |
本研究では粒子数が10ヶ〜100ヶ程度の金属や半導体クラスターをレーザー蒸発法により高密度に作製し, 単一粒子数の陰イオンクラスターを質量分析法により単離したのち, レーザー光脱離実験でクラスターの電子親和力を決定すると同時に電子構造を明らかにすることを目的とする. この目的遂行のためには実験を次の3段階に分けることができる. 1)陰イオンのクラスター発生源の開発. 2)〓集効率にすぐれ, 空間的収束度の高い陰イオンクラスター粒子数分別法の開発. 3)高感度光脱離しきい光電子エネルギー分析法の開発. 1)に関し, 本年度Nd-YAGレーザー第2高調波とパルスノズル源から構成される陰イオンクラスター発生装置を完成させた. 直径40cm, 高さ40cmの真空容器中にクラスター発生部は置かれ, 2700l/s, 1500l/sの2本の油拡散ポンプにより排気される. Nd-YAGレーザー光は真空外部より焦点距離50cmのレンズにより直進, 回転運動する金属ロッドに集光され, 高温プラズマガスを発生させる. プラズマガスはレーザー光に同期した冷却ガスの導入により瞬時に冷され, クラスターを完成させる. 2)の目的のため2重加速場型飛行時間分析管を製作した. 第1加速場にはパルス電場を用い, 第2加速場には静電場を用いている. 製作した分析管は50cm下流で時間的, 空間的に集束するように設計されている. 現在, Alや炭素ロッドを試料として, 最的条件を見い出す実験を行なっている. 3)の目的のため, しきい光電子エネルギー分析器を製作した. 本エネルギー分析器は電子加速板, 偏向板, チャネルトロンからなり, 入射方向は陰イオン運動エネルギー(約1KeV)を補正する方向を向いている. 現在, 強度の強い陰イオン原子による光脱離実験で予備的研究を進めている.
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Research Products
(2 results)
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[Publications] Yohji Achiba,Nobuaki Washida: Chem.Phys.Lett.,.
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[Publications] 阿知波 洋次: 月刊フィジクス.