1987 Fiscal Year Annual Research Report
酵素反応を範とする金属錯体触媒を用いる酸素酸化の研究
Project/Area Number |
62607516
|
Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
龍野 睦宜 大阪大学, 基礎工学部, 助手 (70029479)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
谷 一英 大阪大学, 基礎工学部, 講師 (60029444)
|
Keywords | シトクロムP-450のモデル反応 / 金属ポルフィリン錯体 / ヨードシルベンゼン / スーパーオキシド / エポキシ化 / パーオキシポルフィリン錯体 / アシルパーオキシ錯体 / オキソポルフィリン錯体 |
Research Abstract |
シトクロムP-450のモデル反応として金属ポルフィリン錯体を触媒とし, ヨードシルベンゼン, スーパーオキシドを酸化剤とするオレフィンのエポキシ化を行い, 金属イオン, ポルフィリン置換基等酸素化を支配する種々の因子を調べた. 1.ヨードシルベンゼンを用いるシクロヘキセンのエポキシ化 金属ポルリフィリン錯体とヨードシルベンゼンを反応させるオキソポルフィリン錯体が得られることが知られている. そこでマンガンポルフィリン錯体を用いてオキソ配位子の反応性を検討した. ポルフィリン置換効果からオキソ配位子のシクロヘキセンに対する反応は, 既に報告した鉄ポルフィリン錯体の場合と同様に親電子的であることがわかった. また本反応では著しい溶媒効果が見られ, 極性の低い溶媒ほどエポキシドの収率は高く, オキソポリフィリン錯体の生成に溶媒が関与していると考えられる. 2.スーパーオキシドを用いるオレフィンのエポキシ化 金属ポルフィリン錯体とスーパーオキシドとの反応によりτ^2-パーオキシポリフィリン錯体が生成することが知られている. この錯体そのものはオレフィンに対して不活性で, オレフィンのエポキシ化を行なうためには無水酢酸のような親電子剤が必要不可欠である. 置換オレフィンの反応性を比較すると電子供与性オレフィンの方がエポキシドの収率は高く, この場合もオレフィンに対するパーオキシポルフィリン錯体の反応性は親電子的である. ポルフィリン置換基効果を調べると立体的に嵩高い置換基を有するポルフィリン錯体が鉄, マンガンいずれの場合も高収率でエポキシドを与える. 以上の結果を基に我々は本反応ではパーオキシポルフィリン錯体, アシルパーオキシ錯体, オキソポルフィリン錯体を経由してオレフィンへの酸素原子移動反応が起ることを提案した.
|
Research Products
(4 results)
-
[Publications] 水谷 一良: 第2回生体機能関連化学シンポジウム講演要旨集. 183-186 (1987)
-
[Publications] Y.Tatsuno: The 12th International Symposium on Macrocyclic Chemistry, Abstracts. 192-193 (1987)
-
[Publications] S.Hashimoto: J.Am.Chem.Soc.109. 8096-8097 (1987)
-
[Publications] Y.Tatsuno: Inorg.Chim.Acta. 152. 5-7 (1988)