1987 Fiscal Year Annual Research Report
音声入出力のための対話システム及び知識ベースの高度化に関する研究
Project/Area Number |
62608008
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
角所 収 大阪大学, 産業科学研究所, 教授 (30029839)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
平井 誠 大阪大学, 産業科学研究所, 助手 (20165153)
上原 邦昭 大阪大学, 産業科学研究所, 助手 (60160206)
溝口 理一郎 大阪大学, 産業科学研究所, 助教授 (20116106)
北橋 忠宏 大阪大学, 産業科学研究所, 教授 (70029453)
豊田 順一 大阪大学, 産業科学研究所, 教授 (00029456)
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Keywords | 音声 / 音声言語 / 対話 / マンマシン・インタフェース / 知識ベース / 知識獲得 / 自然言語 / 文脈 |
Research Abstract |
知識処理技術の高度化が音声研究の発展に大きく貢献するとの考えのもとに, 知識ベースと対話システムに関する研究を行った. 知識ベースに関する研究としては, 連続音声認識における特徴パラメータの遷移の読み取り知識を対象とした知識ベースの構築とその支援環境の開発を行った. 認識性能としては, 6人の成人男性の連続音声に関して, 95%のセグメンテーション率, 87%の音韻群認識率を達成した. 又, 支援環境を用いることによって, 認識ルールの開発効率が10倍以上向上することを確認すると共に, 認識率を落とすことなくルールの数を70%に縮小することができた. これ等のことにより, 知識ベースに基づく音声認識の方法論に関する有益な知見を得た. 対話システムに関しては, ドップダウンとボトムアップ解析を融合した文脈解析法, 概念構造からの文生成法, そして, 対話における語用論とそれを利用した省略語の補間や暖味さの解消法等を開発した. 文生成については, 焦点の概念を導入するとともに, 対話の相手のモデルを構築し, 聞き手にとって自然な文生成を行うことができた. 文章の表現内容をゴールとみなして, そのゴールを達成するためのプランニング過程として文生成をとらえたことにも成功の一因がある, 一方, 対話には暗黙の了解事項が存在し, それを抽出することが対話の理解には不可欠である. このため, 対話における語用論の整理を行った結果, 「行動主体はその行動を知っている」「自分自身とは情報の授受はしない」「知っていることは質問しない」等の多くの語用論的制約を得た, これ等を用いて, 対話における省略語の補完法を開発し, その有効性を検証した. 更に, 接続表現に付随する語用論的制約を用いて複文内の係受けを解析する手法を開発した.
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[Publications] 溝口 理一郎: 電子情報通信学会論文誌(D). J70-D. 1189-1198 (1987)
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[Publications] Yoshiaki MIYOSHI: IEEE Trans.Acoust.,Speech,Signal Processing. ASSP-35. 1233-1240 (1987)
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[Publications] 川口 敦生: 電子情報通信学会論文誌(D). J70-D. 2243-2249 (1987)
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[Publications] 平井 誠: 人工知能学会誌. 2. 214-222 (1987)
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[Publications] 上原 邦昭: 人工知能学会誌. 2. 324-332 (1987)
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[Publications] 一本木 真史: 電子情報通信学会論文誌(D). J70-D. 2294-2299 (1987)