1987 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
62608504
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
藤井 克彦 大阪大学, 工学部, 教授 (90028936)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田口 英郎 大阪大学, 工学部, 助手 (40029278)
赤沢 堅造 大阪大学, 工学部, 助手 (30029277)
森田 龍彌 大阪大学, 工学部, 助教授 (60029204)
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Keywords | 調音運動 / 圧電フィルム曲率センサ / ホルマント周波数 |
Research Abstract |
合成音の品質向上, 特に自然性を高くするためには, 調音運動の解析に基づいた合成方法を確立する必要がある. 本研究では, 調音器官(舌, 下顎)の運動計測に基づいて音声の持つ言語情報が, どのような過程を経て生成されるかを明らかにすることを目的としている. 本年度では, 調音器官の運動計測システムの開発を行い, 母音および半母音の生成過程の解析を行った. 1.圧電フィルム曲率センサを用いた舌面形状の計測 圧電フィルムに発生する電圧から曲率が計測できることを示し, 曲率関数から形状を推定するアルゴリズムを導出した. そして, 本センサを用いて, 舌の形状計測を行った. その結果, 母音および子音発生時の舌先の微妙な動きを捕えることができ, 本法の有効性を明らかにした. 2.頬(ほお)部間電気インピーダンスを用いた下顎運動の計測 下顎の開大度と頬部間電気インピーダンスとの関係を解剖学的知見に基づいたモデルにより記述し, 頬部間電気インピーダンスから下顎開大度が推定できることを示した. 頬部間電気インピーダンスは表面電極を用い無侵韻的に計測でき, 話者の自然発生を妨げることなしに下顎開大度が計測できることが明らかとなった. 3.母音および半母音の生成過程の解析 舌・下顎の調音運動の計測を行い, 連続母音と半母音との調音方法の違いを調べた. その結果, 半母音と連続母音調音との違いは, 舌運動と下顎運動との間に生じる位相差にあることが明らかになった. また, このような調音運動の特長と音声のホルマント周波数(F_1, F_2)との対応関係を明らかにした. すなわち, 半母音発生時では, 舌運動と下顎運動との間に位相差が生じ, これがF_1とF_2の遷移時定数の差となって現われることが明らかとなった.
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[Publications] 松村 雅史: 電子情報通信学会論文誌. J70-D. 1011-1017 (1987)
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[Publications] 松村 雅史: 電子情報通信学会論文誌. J71-A. 9-15 (1988)
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[Publications] 松村 雅史: 電子情報通信学会論文誌. J71-A. (1988)
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[Publications] M.Matsumura: System and Computrs in Japan,Scripta Technica,inc.
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[Publications] 松村 雅史: 電子情報通信学会論文誌.
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[Publications] 赤澤 堅造: 電子情報通信学会論文誌. J71-D. (1988)
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[Publications] 田口 英郎: 電子情報通信学会論文誌. J70-D. 640-649 (1987)
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[Publications] 田口 英郎: 電子情報通信学会論文誌. J70-D. 2762-2772 (1987)
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[Publications] 田口 英郎: 電子情報通信学会論文誌. J71-D. (1988)