1987 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
62609503
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
難波 孝夫 東北大学, 理学部, 助手 (30091721)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
河野 省三 東北大学, 理学部, 助教授 (60133930)
池沢 幹彦 東北大学, 理学部, 助教授 (10004334)
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Keywords | ラマン散乱 / 化学吸着 / 共存吸着 / 電気陰性度 / 仕事関数変化 |
Research Abstract |
本研究の目的はその化学吸着力が他の吸着系に比べて極めて弱いため電子分光法による研究が困難であった銀表面へのCO分子の吸着状態を高分解能ラマン分光法により明らかにすことにある. 本研究によって得られた成果は次のようなものである. (1)吸着CO分子についてはその分子内振動モードによる一本のラマン帯の他に低エネルギー領域(100〜200cm^<-1>)に二本のラマン帯が存在する. それらの振動数の表面被履率依存性の観測からこれらが各々CO分子と下地金属原子間のAg-C振動モード及びCO分子の束縛回転モードに対応することが明らかとされた. (2)微量に初期吸着させたCO分子の近傍に異種分子(原子)を共存吸着させつつCO分子のラマン信号変化を観測するいわゆる共存吸着実験を行うことにより, 共存吸着分子(原子)の電気陰性度の強弱に応じてCO分子の分子間力及び下地原子への結合力が増減することを初めて見い出した. これらの現象はCO分子と下地原子間に形成された化学結合状態が共存吸着分子(原子)の電気陰性度の強弱の度合を反映した変化を受けるというモデルで理解できることを示した. (3)低速電子銃を用いた減速電位法によりラマン実験に使用された銀薄膜のCO分子の吸着によって誘発される仕事関数変化を測定し, 共存吸着分子(原子)の電気陰性度の強弱に応じて金属の仕事関数が増減することを明らかとした. つまり, 吸着CO分子の振動数変化と吸着に伴う下地金属の仕事関数変化という二つの物理量が(2)で述べたCO/Ag系におけるCO分子の吸着状態に関するモデルで統一的に理解されることが示された.
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Research Products
(2 results)