1987 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
62611502
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Research Institution | Ibaraki University |
Principal Investigator |
池田 幸雄 茨城大学, 理学部, 教授 (90114008)
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Keywords | コンドライト / コンドリュール / マトリックス / 細粒CAI包有物 / アメーボイド・オリビン包有物 / 原始太陽系星雲 / 凝縮物 |
Research Abstract |
偏光顕微鏡を用いて, 非平衡炭素質コンドライト非平衡エンスタタイト・コンドライト中のコンドリュール, マトリックス, 細粒CAI包有物, 及び, アメーボイド・オリビン包有物を観察し識別した. 次に, X線マイクロアナライザーを使用して, それらの主要成分化学組成を求めた. 得られた化学組成のデータは膨大な量であるため, パーソナル・コンピュータを用いて, そのデータを分類・整理した. 非平衡普通コンドライト中のコンドリュールの主要成分化学組成と比較すると, 炭素質コンドライト中のコンドリュールはCaやAlなどの難揮撥性親石元素に富んでおり, 逆にエンスタタイト・コンドライト中のコンドリュールはそれらの元素に乏しいことが明らかになった. 即ち, 炭素質コンドライト中のコンドリュールは, 太陽大気と同一の化学組成をもつ原始太陽系星雲ガスの高温凝縮物より形成され, 普通コンドライト中のコンドリュールは高温凝縮物を分別して多少失った物質より形成され, エンスタタイト・コンドライト中のコンドリュールは高温凝縮物を分別し, その成分に乏しい物質より形成されたものであると考えられる. 炭素質コンドライト中に存在する細粒CAI包有物とアメーボイド・オリビン包有物とマトリックスは, その化学組成が連続性を示しており, かつ, FeO成分に富んでおり, 強い酸化状態の環境のもとで一連の過程により形成されたと考えられるが, 炭素質コンドライト中のコンドリュールは, そのFeO成分に乏しく, 包有物やマトリックスとは異った還元的環境で形成されたと考えられる. 一方, 普通コンドライトでは, コンドリーュルとマトリックスの化学組成は連続性を示し, 比較的低温で一連の過程により形成されたものであると考えられる.
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Research Products
(3 results)
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[Publications] Y.Ikeda: Proceedings of the Twelfth Symposium on Autarctic Meteorites. (1988)
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[Publications] Y.Ikeda: Proceedings of the Twelfth Symposium on Autaictic Meteorites. (1988)
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[Publications] Y.Ikeda: Geochimicu Cosmochimica Acta.