1987 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
62612002
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
戸嶋 直樹 東京大学, 工学部, 助教授 (50011010)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山本 隆一 東京工業大学, 資源化学研究所, 教授 (10016743)
竹本 喜一 大阪大学, 工学部, 教授 (50029170)
金子 正夫 理化学研究所, 副主任研究員 (90109794)
白井 汪芳 信州大学, 繊維学部, 教授 (80021153)
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Keywords | 連続ポテンシャル場 / 高分子錯体 / ギャドサイクル系 / バイメタリッククラスター / フタロシアニン / プルシアンブルー / 核酸塩基 / π共役高分子 |
Research Abstract |
高分子錯体では, 高分子性に基づく独特なミクロ環境が構築されているので, 錯体に特有の電子状態が観測される. 本研究では, 高分子鎖に沿って, 錯体を連続配列させた連続ポテンシャル場を設計構築し, その相互作用と電子過程を明らかにし, よって新しい物質系としての高分子錯体の基礎科学の確立をはかろうとするものである. 本年度の具体的な研究成果としては, まずクラスター系では, パラジウムと白金よりなる高分子包理バイメタリッククラスターの合成に成功し, シクロオクタジエンの部分水素化触媒活性が金属組成に依存することを見出している. クラスター内に連続ポテンシャル場が構築されたためと考えられる. ギャドサイクル系では, まず, 鉄(III)およびコバルト(II)-カルボキシフタロシアニン誘導体を触媒とする, メルカプトエタノールの酸素酸化反応の速度論的解明を行い, 各素反応サイクルの速度定数, 活性化エネルギー等のパラメーターを求めた. また, 鉄(II)および鉄(III)イオンを含む多核鉄シアノ錯体であるプルシアンブルーの薄膜を合成し, これに電圧を印加することにより酸化還元反応を起こしてギャドサイクル系の構築に成功している. この系にポテンシャル勾配を与える連続的なスペクトル変化が実現できる. 錯体の電子状態のミクロ環境への依存性は分子間相互作用と深く関係する. この観点より, 核酸塩基のポリリジン誘導体をシリカゲルに固定化し, チミンまたはアデニンを有するオリゴエチレンイミン誘導体の分離を試みた結果, 水素結合による相補助的相互作用および疎水相互作用の効果を確認した. 連続ポテンシャル場の構築により電子移動は容易になると考えられる. この目的のため, 含窒素元π共役高分子としてピリジン重合体の合成に成功し, その錯体生成能も確認した. また硫化銅や硫化カドニウムコロイドを含む半導体膜中での多電子移動を見出している.
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Research Products
(6 results)
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[Publications] N.Toshima,T.Takahashi,H.Hirai: Chemistry Lett.1987(6). 1031-1034 (1987)
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[Publications] N.Toshima,T.Takahashi,H.Hirai: J.Macromol.Sci.-Chem.A25. (1988)
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[Publications] M.Kaneko,R.Ramaraj,A.Kira: Bull.Chem.Soc.Jpn.61(2). 417-421 (1988)
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[Publications] M.Kaneko,K.Toyoda: Makromol.Chem.,Rapid Commun.9. (1988)
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[Publications] E.Kubota,T.Yamamoto: J.Appl.Phys.26(10). L1601-L1602 (1987)
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[Publications] Yamamoto,T.Ito,K.Kubota: Chemistry Lett.1988(1). 153-154 (1988)