1987 Fiscal Year Annual Research Report
インスリン様増殖因子の細胞内シグナル調節制御機構の解析
Project/Area Number |
62614505
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
西本 育夫 東京大学, 医学部(分), 助手 (80180652)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松永 浩 東京大学, 医学部(分), 助手 (50165841)
小島 至 東京大学, 医学部(分), 助手 (60143492)
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Keywords | IGF / Calcium / influx / IGF受容体 / カルシウムチャネル / GTP結合トランスデューサー / 細胞周期依存性 / DNA合成 |
Research Abstract |
第1の成果として, Calciuminfluxが, IGFの, 従来知られていなかった細胞内シグナルであることを明らかにした. IGFによるカルシウム動員の特徴は(a)細胞内プールからの遊離はなく純粋にCalcium influxからなる, (b)持続的でアゴニストの存在する限り出現する, (c)細胞周期依存性で, PDGFとEGFの作用で移行した細胞周期においてのみ発揮される. 我々は更にIGFシグナル伝達材構の詳細を検討した. その結果, まずこれが受容体を介する作用であることを明らかにした. 第2に, Calcium influxが蒸起されるルートを明らかにした. すなわち電気生理的検討により, IGFは電位非依存性カルシウムチャンネルを活性化することが判明した. このチャンネルは実験条件下では, ナトリウムもカリウムをも透過せしめ, その点では非選択的陽イオンチャンネルであるが, 生理的にこれら, 中でもカリウムを通していることは否定的であった. 興味深い事実として, IGF-Iも-IIも, 電気生理学的に全く区別できないチャンネル共通に活性化したことを明記しなければならない. 第3に, IGF受容体とカルシウムチャンネルとの間に, GTP結合トランスデューサーが介在していると考えられる証拠を見出した. これは, Iについても, IIについても成立し, 異なる受容体が共通の効果器を活性化する材構として理解可能である. ただ, IGF-I-IIの各々では, GTP結合トランスデューサーに対する作用様式か異なると推定され, それがどの様な分子材構に基づいているのか現在検討をすすめている. 更に, このように判明したIGFシグナル伝達系が, 細胞周期, あるいは他の増殖因子(PDGF, EGF)によって高位に制御される材構, 及び蒸起されたCalcium influxがDNA合成に伝達されるメカニズムを今後解明してゆきたい.
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[Publications] Ikuo Nishimoto: Biochem.Biophysic.Res.Com.142. 275-286 (1987)
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[Publications] Ikuo Nishimoto: J.Biol.Chem.262. 12120-12126 (1987)
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[Publications] Ikuo Nishimoto: Biochem.Biophysic.Res.Com.148. 403-411 (1987)
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[Publications] Itaru Kojima: J.Biol.Chem. 262. 4557-4563 (1987)
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[Publications] Naohide Yamashita: Am J.Physiol.253. E28-E32 (1987)
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[Publications] Hiroshi Shibata: Biochem.Biophysic.Res.Com.146. 187-193 (1987)
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[Publications] Hiroshi Matsunaga: Pflugers Arch. 408. 351-355 (1987)
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[Publications] Hiroshi Matsunaga: Kidney Int. 31. 279 (1987)
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[Publications] Tetsuya Mine: Biochem.Biophy.Acta. 927. 229-234 (1987)
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[Publications] 西本 育夫: 代謝増刊号.
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[Publications] Ikuo Nishimoto: "Cell Calcium Metabolism′87" Raven Press,