1987 Fiscal Year Annual Research Report
DNA複製開始部位とDNA複製タンパクとの相互作用
Project/Area Number |
62615503
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
有賀 寛芳 東京大学, 医科学研究所, 助手 (20143505)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
有賀 早苗 東京大学, 医科学研究所, 助手 (90184283)
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Keywords | C-mycタンパク / DNA複製 / エンハンサー / 熱ショックタンパク / 転写促進活性 |
Research Abstract |
DNA複製開始部位の単離と, 複製開始タンパクの同定を目標に研究を始め, 次の様な成果を得た. 1), C-mycタンパク, N-mycタンパク, P53が細胞DNA複製開始タンパクであることを明らかにし, それに対応する細胞DNA複製開始部位を単離した. 2), C-mycタンパクは機能上, SV40T抗原に類似しており, SV40DNA複製系においてT抗原と互換性があることを示した. 3), C-myc遺伝子の第一ユクソン上流2000塩基付近には, C-mycタンパク結合域が存在し, そこは同時に複製開始部位とエンハンサー領域が共存していた. このことから, C-mycタンパクは複製開始タンパクであると同時に, 転写エンハンサー結合タンパクであることがわかった. 4), C-mycタンパクはC-myc自身の発現を正負に自己制御していた. 5), C-mycタンパク結合域と相補性のあるDNAクローンとして熱ショックタンパク(HSP70)遺伝子がクローニングされた. これより, HSP遺伝子はC-mycタンパクの直接の作用部位で, C-mycタンパクがエンハンサー結合タンパクとして転写促進するものと考えられた. 6), HSP70はC-mycタンパクを中心とするDNA複製系の開始反応に関与するタンパクらしいという結果を得た. 7), C-myc遺伝子上のDNA複製開始部位を受精卵に注射し, トランスジェニックマウスを作製したところ, このクローンは染色体外で複製し, 子, 孫マウスにも伝幡した. このことよりC-myc遺伝子の複製開始点の存在はlivvivoでも証明された. このように, C-mycタンパクを中心とする転写-複製系が存在するらしく今後の発展が期待される.
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Research Products
(6 results)
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[Publications] Ariga,H.: Mol.Cell.Biol.7. 1-6 (1987)
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[Publications] Iguchi-Ariga,S.M.M.: EMBO J.6. 2365-2371 (1987)
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[Publications] Iguchi-Ariga,S.M.M.: Life Science Advances. 6. 75-84 (1987)
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[Publications] Iguchi-Ariga,S.M.M.: Nucleic Acids Res.15. 4889-4899 (1987)
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[Publications] Iguchi-Ariga,S.M.M.: Nature. (1988)
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[Publications] Iguchi-Ariga,S.M.M.: Oncogene. (1988)