1987 Fiscal Year Annual Research Report
炭素・炭素間結合形成を触媒する微生物酵素機能の開発
Project/Area Number |
62616501
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
小倉 協三 東北大学, 非水溶液化学研究所, 教授 (80006303)
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Keywords | プレニルトランスフェラーゼ / イソプレノイドの生合成 / イソプレン単位の重合 / ファルネシルピロリン酸 / イソペンテニルピロリン酸 / 酵素による合成 / 不斉合成 |
Research Abstract |
1.枯草菌のウンデカプレニル〓リン酸合成酵素は本来EE-ファルネシル〓リン酸に8分子のイソペンテニル〓リン酸を連続的に縮合させて, Z型鎖をつくる酵素であるが, C_5の基質の代わりにC_6のE-3-メチルー3-ペンテニル〓リン酸を用いると, 1分子の縮合で反応が停止, C_<21>の光学活性化合物, (S)-4メチルーZ, E, E-ゲラニルゲラニル〓リン酸を与えることが明らかになった. このC_6基質は種々のアリル性基質と反応して, 4位にキラルなメチル基をもつ種々のZ型ポリプレノール誘導対を与えた. 2.Micrococcus luteusのノナプレニル〓リン酸合成酵素についても, C_6基質の反応を調べ, E体のみならずZ-3-メチルー3-ペンテニル〓リン酸が基質となり, それぞれ互いエナンチオマーの関係にある新化合物を与えることを見いだした. また, 同細菌のゲラニルゲラニル〓リン酸合成酵素により, 4-メチルーE, E-ゲラニルゲラニル〓リン酸の両エナンチオマーを合成できることを見いだした. 3.Micrococcus luteus B-P26のウンデカプレニル〓リン酸合成酵素の活性化に必須の因子はカルジオリピンとホスファチジルグリセロールであることを明らかにした. また, 同細胞のヘキサプレニル〓リン酸合成酵素を構成する2つのタンパク性因子の諸性質の詳細を明らかにして, この酵素による炭素・炭素間結合形成反応の機構に関する理解を深めた. 4.基質のピロリン酸結合部分の構造を化学修飾した化合物を数種類合成し, それらのあるものはプレニルトランスフェラーゼの基質となることを明らかにした.
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Research Products
(6 results)
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[Publications] T. Koyama: J. Am. Chem. Soc.109. 2853-2854 (1987)
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[Publications] M. Ito: Biochemistry. 26. 4745-4750 (1987)
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[Publications] T. Gotoh: Chem. Lett.1627-1630 (1987)
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[Publications] I. Yoshida: Biochemistry. 26. 6840-6845 (1987)
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[Publications] T. Koyama: Phytochemistry. (1988)
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[Publications] Phytochemistry: J. Biochem.(1988)