1987 Fiscal Year Annual Research Report
好熱菌F_1-ATPaseのβサブソニットのX線結晶解析
Project/Area Number |
62617506
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
白木原 康雄 東京大学, 理学部, 助手 (20150287)
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Keywords | 好熱菌F_1-ATPase / βサブユニット / 蛋白精製 / 蛋白質結晶化 / オクチルグルコシド |
Research Abstract |
好熱菌PS3のF1-ATPaseのサブユニットβの精製法の改良と結晶化条件の検討を行った. 前者は純粋な蛋白標品が結晶化に必要なためである. 結果としては, 標品純度は向上し, 結晶化については900を超える試みの後にオクチル(チオ)グルコシドを用いることにより微結晶, 巨大スフェルライト(球状擬結晶)がえられる段階に到達した. 1.精製法の改良 従来用いられてきた疎水クロマトに加えてグリーンA, ハイドロキシアパタイトが有効であることを見い出し, これらを組み合わせることにより高純度の標品が得られるようになった. 2.結晶化の試み 4種の基本的沈澱剤を主として用い, PH, リガンドの有無, 湿度等のパラメーターを変えて調べた. 25度ではほぼ条件をつくしたが, 非蛋白性の結晶がいくつかの条件で見られたのみであった. 最近オクチル(チオ)グルコシドを導入したところ, 再現性に問題をもつが, 微結晶が得られた. またβをトリプシン処理後同様にオフチルグルコシドを用いると0.2mmの巨大スフェルライトが得られることを見出した. これからは上記実績にもとづき, 低温, 非イオン性界面活性化剤を用いる条件, 等と更に詳しく検討し良好な結晶を再現性良く得られるようにすることを考えている.
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