1987 Fiscal Year Annual Research Report
遺伝子導入キメラマウスを用いた組織特異的な転写制御機構の解析
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62620510
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
近藤 壽人 京都大学, 理学部, 助教授 (70127083)
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Keywords | ES細胞 / キメラマウス / δ-クリスタリン / 組織特異性 / エンハンサー |
Research Abstract |
本研究では, ニワトリのδ-クリスタリン遺伝子が水晶体で発現されるメカニズムを明らかにするために, ES細胞(胚性幹細胞)を用いた遺伝子導入キメラマウスをつくり, 培養細胞中での発現と併用して解析した. 1.ニワトリδ-クリスタリン遺伝子を持ったキメラマウスをつくる. ES細胞にδ-クリスタリン遺伝子とG418耐性遺伝子とを持ったプラスミドをプロトプラスト融合法で導入し, 遺伝子導入ES細胞株を樹立した. 6株を選んで, 各々の細胞をマウス胚盤胞の中に10〜50個ずつ注入し, 擬妊娠マウスの子宮に移植してキメラマウス胚の成立を待った. この操作で得られた胚や個体の約半数は実際にキメラ状態であり, ほとんどすべての組織について, その10〜70%がδ-クリスタリン遺伝子をもったES由来細胞であることが確認された. キメラマウスの中でのδ-クリスタリンの発現を免疫組織化学及びウェスタンブロット法で解析した. 異種動物の遺伝子であるにもかかわらず厳密な制御をうけ, ニワトリにおける発現特異性を良く再現すること, また正しい転写開始シグナルによって発現されることが明らかになった. 2.δ-クリスタリン遺伝子第3イントロンの中のエンハンサーが組織特異性を決めている. δ-クリスタリン遺伝子のさまざまな領域をCAT遺伝子に連結し, 水晶体上皮と繊維芽細胞での活性を比較した. その結果遺伝子第3イントロンの中に, 水晶体特異的なエンハンサーがあることが明らかになった. また, このエンハンサーはδ-クリスタリンの発現自体に対しても必須であることが確認された. 今後, δ-クリスタリン・エンハンサーを持ったCAT遺伝子をキメラマウスに導入し, エンハンサーだけでどこまで発現の特異性を制御しているのかを明らかにしてゆく.
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Research Products
(5 results)
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[Publications] Hisato KONDOH (近藤 壽人): Developmental Biology. 120. 177-185 (1987)
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[Publications] Hisato KONDOH (近藤 壽人): Gunma Symposia on Endocrinology. 24. 41-48 (1987)
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[Publications] Shigeo HAYASHI (林 茂生): Genes and Development. 1. 818-828 (1987)
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[Publications] Kazuto KATOH (加藤 和人): Cell Structure and Function. 12. 575-580 (1987)
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[Publications] Yoshiko TAKAHASHI (高橋 淑子): Development. (1988)