1987 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
62620515
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Research Institution | National Cancer Center Research Institute and Research Center for Innovative Oncology, National Cancer Center Hospital East |
Principal Investigator |
林 健志 国立がんセンター研究所, 腫瘍遺伝子研究部, 室長 (00019671)
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Keywords | C-myc遺伝子 / C-myc mRNA / プロモーター / ポリA付加シグナル / in vitro転写実験 / G-freeカセット / 合成オリゴヌクレオチド |
Research Abstract |
1.c-myc遺伝子および同mRNAの構造 ラットc-myc遺伝子をクローン化し, 同遺伝子およびその周辺のヌクレオチド配列を決定, 既知のヒトc-myc遺伝子領域と比較検討した. その結果, a.ラットc-myc遺伝子はヒトのそれと同様に, プロモーター配列およびポリA付加シグナルを, それぞれ2個有する. b.同遺伝子の上流, およびイントロン領域が両種間で著しく保存されている. 等が明らかとなった. また, S1マッピング法を用いて, ラットの種々の臓器中のc-myc mRNAの構造を調べたところ, 下流のプロモーターおよび下流のポリA付加シグナルが主に使われていることが示された. 2.in vitro転写実験によるラットc-myc遺伝子活性の解析 ラット肝臓核軸出液による, 無細胞転写解析の実験系を確立した. テンプレートとしては, クローン化ラットc-myc遺伝子の下流プロモーターに, ACおよびTのみからなる合成オリゴヌクレオチド(G-freeカセット)を接続したものを用いた. このテンプレートを, 上記核軸出液と共に, 基質としてGTPを含まない溶液中でインキュベートすることにより, G-freeカセットに相当する長さのRNAを, c-myc遺伝子プロモーターからの忠実な転写産物として合成させることに成功した. さらに, 同遺伝子上流領域を様々に欠失したテンプレートを用いた解析の結果, 同遺伝子上流約30ヌクレオチドに存在するTATA-boxのみで, 十分な転写活性見られることを示した.
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