1987 Fiscal Year Annual Research Report
光化学系1反応中心色素蛋白複合体の分子構築と光受容機能の解析
Project/Area Number |
62621503
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Research Institution | Saitama University |
Principal Investigator |
桧山 哲夫 埼玉大学, 理学部, 教授 (20125892)
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Keywords | 光化学系1 / P700 / P430 / 光合成 / 高等植物 / 鉄イオウ蛋白 / 膜蛋白 |
Research Abstract |
1.光化学系1反応中心色素蛋白複合体標品を純化精製する方法について従来から用いて来た方法に再検討を加えた. その結果, これまで用いていたイオン交換クロマトグラフィーの材料方法に改良を加えたり新にハイドロキシアパタイトを採用したりしたことで調製に要する時間を大巾に短縮出来た上, 収率も良くなった. 得られた標品は従来のものに比べて, 分解産物と考えられる副成分はほとんど含まれていない. 2.この副合体を更に強く界面活性剤処理し構成する個々のサブユニット成分を分別精製することを試みた. その結果, 最小成分である9KD_aポリペプチドについて高度の純化に成功した. アミノ基本端のアミノ酸配列を32番目まで分析し, 更にカルボキシ末端についても分析した結果をすでに発表されているタバコ及びゼニゴケ葉緑体DNAの塩基配列の中に検索したところ未同定のGENEに極めて相同性の高いものを見つけた. これによりこの蛋白の一次構造が推定された. 9コのシステイン残基を含み, そのうち8コの配列はすでにいくつかの細菌に知られているフェレドキシン(4鉄4イオウ蛋白)におけるそれと非常に良く似ていることが分った. このことはこの蛋白が低温EPR測定から知られているCenter A, Bの二つの鉄イオウ中心のアポ蛋白であることを強く示唆する. 3.上記複合体を更に注意深く界面活性剤処理し直ちにゲル〓過を行って, 二種の大型サブユニットのみを含む反応中心標品を収率良く得た. P700及びP430の光化学活性はほぼ定量的に保存されていて長期の凍結保存にも安定である. Center A, Bは全く含まれていない. P700あたり4原子の鉄が含まれていることが分った. 詳細な分析は現在継続進行中である.
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[Publications] N.Hayashida,T.Matsubayashi,K.Shinozaki,M.Sugiura,K.Inoue and T.Hiyama: Current Genetics. 12. 247-250 (1987)
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[Publications] Y.Kojima,Y.Niinomi,S.Tsuboi,T.Hiyama,H.Sakurai: Botanical Magazine. 100. 243-253 (1987)
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[Publications] T.Hiyama,T.Watanabe,M.Kobayashi,M.Nakazato: FEBS Letters. 214. 97-100 (1987)
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[Publications] K.Inoue and T.Hiyama: Journal of Biochemistry.
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[Publications] T.Hiyama,A.Katoh,T.Shimizu,K.Inoue and A.Kubo,(J. Biggins,Editor): "Progress in Photosynthesis Research" Martinus Nijhoff, Dordrecht, The Netherlad, 4 (1987)